SDGsはマーケティング用語なのか?

日々是好日

今流行りのSDG’s(エスディージーズ)とは、2015年に国連が定めた持続可能な開発目標なのだということは多くの人の知るところとなっています。”持続可能”とは「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」なのだと言いますが、ボクの身の回りで目にする限りそれは商業的なご都合主義で利用されるキャッチフレーズにしか見えません。特にマスコミや大企業にとっては、ある時は「持続可能な社会を目指す」と言いながらサスティナブルとは正反対なことをやって儲けようとするからです。バカ正直に「地球や生命の持続」を訴えているのは商売にあまり関係のない行政機関ばかりに見えるのです。

もっとも国連の言っている目標自体が理想論でしかない部分も多いので、「みんなで幸せになろうよ」という漠然とした曖昧模糊なイメージしか見えてこないので、”総論賛成、各論反対”というどこでもみられる葛藤を”見える化”しただけのように見えます。そもそも国連の掲げる18のゴール、169のターゲットというのはあまりにも範囲が広すぎて、その中だけで矛盾が起きるのも当たり前ではないでしょうか?

例えば「世界平和」ひとつとっても宗教や人種の多様性を重視すれば不平等が起きて紛争は絶えません。ジェンダー平等を目指すことは理想ですが、対象を「すべての女性と女児」に限定することは性別による「不平等」を招くことにもなります。

だから大企業やその片棒を担ぐマスコミはSDGsの”金儲け”に都合のいい部分だけを切り取って借りてきて利用しようとするのです。あるテレビ番組では真面目な顔をしたアナウンサーが「国連の掲げるSDGsが地球環境を守ることに繋がるのです」と言いながら、その後のバラエティ番組では牛肉のどデカいステーキを見せて「これ、絶対美味いヤツやん!」などと視聴者を挑発します。今では家畜の大量消費が穀物や水・エネルギーの大量消費や森林伐採を引き起こして、地球規模の気候変動の要因にもなっていることは周知の事実です。

それでもその間に流されるハンバーガーチェーンのCMでは「この商品はSDGsにも貢献しています」と宣伝することで企業が利益をあげていることも確かです。要するに少なくとも日本の企業にとってはSDGsの目標などどうでもよくて、結局は”金儲けのネタ”としてしか見ていないということなのです。だからボクはマスコミが「SDGsが…」と言い始めた途端に眉に唾をつけて見てしまいます。そう言っている人こそ誰も真面目に人類をはじめとしたすべての生き物や地球環境の持続性など考えていないからです。

SDGsに限らず何かの変化を起こそうとしたときには、いい意味でも悪い意味でも、それまでに築かれてきたバランスを大きく崩すことなくより良い方向へ少しずつ舵を切らなければなりません。いきなり急ブレーキを踏んだり急ハンドルを切れば大きくバランスを崩して転んでしまいかねません。

だからこそ自分一人でも肉食を減らしたりエネルギーを節約したりして自分が可能な限りの努力をしながら、バランスを崩して転ばないように前に進んでいく必要があるのだと思っています。
「動物性蛋白は一切口にしない」という人もいますが極端なことをすれば必ず無理が来ます。ハンバーガーを食べるなとは言いませんが、毎日食べていたラーメンを3日に1度に減らしたからといってステーキはあまり食べないようにしたからといってたちどころに死んでしまうわけではありません。

そんな小さな心がけこそが真の意味での持続性に繋がるのだと思っています。

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