なんもない奈良

”灯台下暗し”とは言い古された諺である。あまりにも身近にあるが故に見えづらくなってしまうことは枚挙にいとまがない。田舎に暮らしていれば自然の素晴らしさに感動することは少なくなるし、大都会に暮せば生活の便利さを実感することもなくなってくる。ネット通販では注文したその日のうちに品物が届けられたりすることが当たり前のように思っているが、ひとたび離島に行けば配達はその日どころか1週間も2週間もかかることがある。その上に送料は1000円も2000円も上乗せされることもあるのだ。しかし一方で都会のど真ん中に住んでいると四季の移ろいや自然の息吹を感じることは稀だ。夏の花火大会や神田明神のお祭りが関の山である。 “なんもない奈良” の続きを読む

悪いのは誰?

今年の夏も全国で自然災害が数多く起こった。自然災害だけではない。水の事故も交通事故も殺人事件も起きた。何かが起きると自然災害であっても「あれは人災だ」ということがある。例えばフクシマの原発事故や河川の決壊などによる浸水被害や土砂崩れなどでもだ。
フクシマの事故は直接的には震災による津波が発電所を壊したことだ。河川の堤防決壊や土砂崩れも雨が一時に大量に降ったことが原因だし、ブロック塀の下敷きになったのも地震による揺れが大きな原因だ。 “悪いのは誰?” の続きを読む

地図屋の意地

かつて勤め先でパソコンのシステム開発に携わってプログラマーをしていた頃、動作テストで自分の作ったソフトを動かしてみた時に「こうしたらもっと便利に使えるようになるのに」と思うことが何度もあった。簡単な例では、郵便番号を入力したら自動で住所が入力されるといったような仕組みだ。今ではどこのサイトでも普通に使われる技術だが当時はまだGoogleがやっと出てきた頃でインターネットの技術も貧弱で一般的ではない時代だった。
しかしお客さんのために作るプログラムはクライアントとの打ち合わせの中でその仕様を決めるので、プログラマーが勝手に作り変えてしまうことは許されない。そこで現場を統括するリーダーに提案してみると… “地図屋の意地” の続きを読む

二倍!二倍!

「当社比3倍」という広告は毎日のように目にする。画期的な発明の結果「商品の性能が著しく向上しました」ということなのかも知れない。何が3倍になったのかとよく見ると「洗浄力3倍」だったりする、洗浄力って何だ?
2.18倍とか5.42倍などという一見具体的な数字を出して性能をアピールすると多くの人に信用されやすい傾向がある。心理学でも検証されている事実だ。それが何を意味する数字だかわからないとしても…。だから広告では一般の人が聞いたことがないような化学成分の名前や専門用語を持ち出して2倍だ3倍だと強調するわけだ。コラーゲンだってヒアルロン酸だってその化学式を知っている人はほとんどいないし、かくいうボクだって知らない。それが体内でどういう作用をするのかに至ってはほとんどの人がCMで言っていることを鵜呑みにしている。それでも誰もがコラーゲンと聞けば肌がプルプルツヤツヤになる若返りの薬だと思っている。 “二倍!二倍!” の続きを読む

机上の空論

あなたは今までに少しでも興味を持って熱中したことはどれくらいありますか?ちょっとでも自分の手足を動かして経験したことという意味です。それはもう数え切れないくらいの事を経験してきたと思います。例えばボクならゴルフ、テニス、バスケットボール、アマチュア無線、合唱、バレーボール、将棋、チェス、囲碁、切手収集、絵画、ハンダ付け、アンテナ設計・製作、ラジオ製作、小型船舶、スキー、自動車ラリー、ダイビング、オートバイ、トランペット、フルート、ギター、ドラムス、三線(沖縄の三味線)、ウインドサーフィン、パラグライダー、鍵の交換、プログラミング、サーバ構築、社内LANネットワーク構築、無線LANネットワーク構築、マーケティング、コールセンター、監査業務、営業、離婚(苦笑)、…。ちょっと思いつくだけでもどんどん出てきます。 “机上の空論” の続きを読む

タイムマシン

2020年7月、新国立競技場で陸上競技のクライマックス100m決勝のスタートが切られた。それと同時に新国立競技場に据えられた巨大スクリーンから発射された光がある。もちろんそこに映し出されているのは今まさに行われているレースの実況である。
東京オリンピックが行われた2020年。科学の進歩は宇宙をどこまでも駆け抜ける光のビームを発射する巨大スクリーンと光よりも速く飛べるロケットが開発されていた。この開発には東京・羽田にある小さな町工場で開発された部品が使われているのはテレビドラマでも有名な話である。 “タイムマシン” の続きを読む

成果主義は本当に素晴らしいのか?

遠山の金さんは人気者だ。大岡越前然り、水戸の黄門様然り、アンパンマン然り、銭形平次然り、ウルトラマン然り。勧善懲悪、正義の味方はいつの時代にも人気者だ。アメリカでもスーパーマンやスパイダーマンは人気者だ。”イイもん”は大抵は弱い者いじめをしない。”悪(わる)もん”はイジワルだ。弱い者を助けて悪い者を懲らしめるキャラが人気なのは誰しも他ならぬ自分自身が弱いことを自覚しているからだ。できることなら自分も助けて欲しいと思う。 “成果主義は本当に素晴らしいのか?” の続きを読む

海苔

学生の頃、友達の下宿に行けばホワイトかブラックニッカの水割りだった。バブル景気の前夜、金はなかったが学生の口も肥え始めていてレッドやトリス、スーパーニッカは口に合わなくなっていた。しかしツマミは相変わらずの味付け海苔だった。よっちゃん酢イカが入っているようなでかいプラスチックの容器の赤いフタを開けると安っぽい味付け海苔の臭いが部屋中に広がった。 “海苔” の続きを読む

とんち(頓智)の神様

以前のようには聞かなくなった言葉、とんち。今の子供たちには意味がわかるのかな?
ひねりのある考え方や解決策のことを指して「とんちの効く人」「とんちの効いた答え」なんて使い方をします。
とんちといえば一休さん。マンガでもお馴染みのお坊さんです。マンガでは子供の頃の一休さんがモデルになっていましたが一休宗純という実在のお坊さんがいたんだそうです。 “とんち(頓智)の神様” の続きを読む

天王山

大阪から京都に向かう電車が高槻の駅を過ぎた頃、山崎のウイスキー蒸留所を過ぎると左側の車窓に小高い山が見えてくる。天王山だ。東海道新幹線からもよく見えるのでご存知のかたも多いだろう。今では名神高速道路の天王山トンネルが山肌に大きな穴を穿ち、かつての姿とは大きく異なっていることと思う。
京都の本能寺で織田信長を討った明智光秀を追って天下取りに邁進しようとする豊臣秀吉が相まみえた地としてつとに有名な、ここが「天下分け目の天王山」だ。その後も幕末の鳥羽伏見の戦いや禁門の変でも要衝の地として歴史の表舞台に登場するが、古くは室町時代の応仁の乱にも登場している。 “天王山” の続きを読む