先日、民放の「秘密のケンミンショー」という番組を見ていたら焼き物県・佐賀の特集をやっていた。ご存知のように佐賀には有田焼や伊万里焼(有田焼を伊万里の港から積み出していたことからそう呼ばれるようになったと”ブラタモリ”で言っていた)、唐津(からつ)焼をはじめとしてあちこちに焼き物の名産地がある。

でも2021年の「都道府県魅力度ランキング」ではブービーの46位、最下位の茨城県の一つ上、そして2022年には茨城県にも抜かれて最下位47位になってしまった。

もう随分前になるが「はなわ」という佐賀出身(生まれは埼玉)のお笑い芸人が
 ♪ S・A・G・A!さがぁ〜! …それがさがぁ〜♪
と歌ってヒットしたことがある。自虐ソングだった(笑)

実はまだ佐賀県には1度も行ったことがないのだが、佐賀県は北は玄界灘から南は有明海にまたがる温暖でのどかなところ(らしい)だ。いざとなれば福岡空港から佐賀県の唐津までは朝夕なら福岡市営地下鉄がJR筑肥線に直通で乗り入れており1時間半余りで行くことができる。昼間の時間帯だって1時間に2本程度が福岡県糸島市の筑前前原駅まで行っているので、まぁ首都圏的に言うなら”福岡のベッドタウン”くらいの距離だ。その代わり佐賀空港まではそもそもJR唐津線が佐賀まで1時間半に1本程度で70分ほどかかり、そこから空港までもバスで30分以上かかり果てしなく不便らしい。

どうしてそんなに佐賀にこだわっているのかといえば、以前(10年以上前)から「将来は地方へ住みたいねぇ」という希望があって移住先に良さそうなところを物色していたのだ。ただ雪が積もって寒いところは嫌だし(祖父母の出身が新潟3区)食べ物が美味しいところ(別に寒ブリや毛蟹のように名物である必要はない)じゃないと嫌なので「帯に短し襷に長し」でなかなか候補地が見つからないでいた。

大分や北九州、福岡に何度か訪れているうちに「九州って魚がめっちゃ旨いじゃん」ということに気づいて熊本などでも食べ物の好みがどんぴしゃだった。先日行った五島列島(長崎県)でも魚や肉、野菜がとても美味しく、「やっぱ住むなら九州かなぁ」と思い始めているわけだ。この先、基本的に通勤をしないのなら”会社の近く”に住む必要もない。勤めていたときの平均通勤時間は平均して満員電車で1時間半〜2時間だったのでまさに”痛勤”だった。しかもその仕事自体に生きがいを感じていたわけではない。

最近YouTubeの動画をよく見るのだが、長崎、福岡、佐賀あたりには素晴らしい景勝地が多くて絶景には事欠かない。しかもどこに行っても(超有名人気観光地でなければ)ほとんど人がいなかったりする。それに引き換え、関東では箱根や湘南、鎌倉などの有名観光地はもとよりどーでもいいような(失礼!)ところにも観光客が押し寄せていてさすがに辟易している。そんな日常に囲まれていると、佐賀の東松浦半島や長崎の西彼杵(にしそのぎ)半島、その海に星のように点在する島々の風景には心が表れるような気がする。

また特に九州北部は奈良・平安の時代から唐や隋・朝鮮半島との結びつきが強く太宰府なども置かれていた。奈良時代には白村江(はくそんこう)の戦いで百済(くだら)・倭国の連合軍が大敗して「もしかして日本(当時は倭国)が攻め込まれるかも」という恐怖で朝廷は西日本に数々の防塁を築いたという。その後、戦国時代には秀吉の朝鮮出兵の拠点になった「名護屋城」も佐賀にあったし、遡ること鎌倉時代には元(今のモンゴル)が攻めてきた「元寇」(”神風”が吹いたということで有名なやつ)の痕跡も残っている。

若い頃は横須賀なんぞに住んでいると欲しい本を探しに横浜や東京まで出掛けていったものだが、今ではAmazonなどのネット通販の方がよっぽど便利になった。沖縄や北海道の離島では送料や納期が大変だが九州本土ならそんな心配もほとんどない。それに「今すぐに手に入れたい!」と思うものなどほとんどなくなった。物欲も先細っているのだ。佐賀や長崎に住むことになっても都会に行く機会はほとんどないだろう。

そんな佐賀県が「魅力度ランキング最下位」などと聞くと、「よし、俺が推してやるぞ!」などと正義の味方になったように張り切れるわけだ。数年前に初めて会った従兄弟は佐賀県出身である。会ったことはないが柳川や大牟田にも親戚がいるらしい。ボクも結婚するまでは本籍が福岡県柳川市にあった。”鳥巣”という名前も九州には多く、関東ほど珍しくはないらしい。もっともそれは”九州推し”とは関係ないのだが。