「宇宙の果てはどうなってるの?」と子供によく訊かれます。「じゃあ宇宙の始まりは?」っていう質問もよく聞きます。宇宙はいつできて宇宙の果てはどうなっているのか? 子供に限らず大人でも答えに困ってしまいます。最近の天文学や宇宙物理学ではだんだんといろいろなことが分かってきましたが、それでもはっきりしたことはわからず分かっていることもほんのごくわずかです。そもそも人間が直接出かけて行って見てきたのはせいぜい月までで、太陽系の中どころか”あの”太陽にだって行ったことはありません。

今までの観測データや研究によると、宇宙は138億年前にビッグバンという大爆発で始まったと言われています。ビッグバンの前は空間というものもなく動いているものは何一つなかったと考えられています。もの凄く密度の高い(何の密度が高かったのかもよく分かっていません)状態だったと考えられていますが、ボクは空間のない世界を想像することができないので、見当もつきません。少なくとも今のような世界とは全く違っていたのでしょう。

例えば自分が鉄の塊の中に閉じ込められていると仮定しましょう。周りは光もなく空気もありません(「それじゃあ死んじゃうよ」という議論はなしです)。鉄の塊に囲まれて身動きもできず、目に見えるものもありません。真っ暗で周囲に何の変化もないとしたら果たしてそこに時間というものはあるのでしょうか?

人が時間を感じるのは一定の間隔の間に起きる変化を感じるからです。真っ暗で動くこともできない世界で果たして時間を感じるでしょうか?

つまり変化するものが何もないということは時間の流れを感じられないということではないでしょうか?

真っ暗な部屋の中に自分一人が閉じ込められて何も見えず、音も光も匂いも暑さも寒さも感じられなかったとすればおそらく時間を感じることはできないのではないかと思います。宇宙はビッグバンという大爆発から空間や物質ができたと考えられています。それ以前には何もなかったということです。爆弾が爆発するのとは訳が違います。だからビッグバンの前は?と質問すること自体が無意味です。空間も時間も物質も何もなかったのです。

ビッグバン以降、宇宙はずっと膨張し続けていると言われています。だから地球から一番遠い宇宙(星)は138億光年の彼方にあると言います。どこから測って?と訊くのはナンセンスです。ビッグバンがすべての始まりです。地球のそばでビッグバンが起きたわけではありません。宇宙の中心などどこにもないのです。そして宇宙はこの先も膨張を続けるのかそうでないのか、色々な説がありますがはっきりしたことは何もわかっていません。でもそれをどうしたら子供にうまく伝えられるのかが問題です。

宇宙の果てには壁があるわけでもありません。孫悟空がお釈迦様の手のひらの向こう側に行かれなかったように、宇宙の果ての先には何があるの?と尋ねることには意味がありません。果ての向こう側には空間も時間も何もないのです。今いる宇宙が我々の存在する場所の全てです。そう考えると仏教の教えなどはある意味で悟りを開いた人にだけしかわからないものなのでしょう。

「孫悟空ここまで来たぞ」などと得意満面に語っていても、所詮はお釈迦様の手の上から逃れられないように世界というものは計り知れないものなのかもしれません。