「人との会話が苦手」という人を最近よく見かけます。恐らくは以前からそういう人はたくさん居たんだと思いますが、昔は「会話が苦手」なんていうと”人間失格”みたいに言われましたから、「嫌だなぁ」と思っていても口に出せなかっただけなのではないかと思います。近頃では変なことを口にすると”パワハラ”だの”モラハラ”だのと非難されますから誰も口にできないのでしょう。

ことの良し悪しは別にして、人と話をすることが負担になるのは自分にとってもあまり楽しいことではないように感じます。もちろんひどく疲れていたり辛いことがあって打ちひしがれていれば、誰だって口も聞きたくなることだってあるでしょう。でも中には誰かに話すことで気分転換になって立ち直れるという幸せな人もボクの周りにも何人かいます。

あなたは、人に会う時や会話をする前にはどんな気持ちになりますか?
きっとそれはどんな相手と会うかによってまったく違うでしょう。気のおけない古くからの友人なら久しぶりの再会が楽しみで待ち遠しくなることもあるでしょう。逆にいつも嫌味ばかり言われる得意先の担当者だったら、「今日は何を言われるんだろう?」と憂鬱な気分になるかもしれません。いずれにしてもこれから会って話をする人のことを考えて、「どんな話をするんだろう?」と予想することはあると思います。

そんな時に、「相手の質問になんて答えよう?」なんてことばかり考えていると「うまく答えられるかなぁ?」と不安になることもあるでしょう。旧友ならお互いの事情や性格もよくわかっていますから、たとえうまく答えられなくたって構うことはありません。でもそれが就職活動の面接だとしたら、なんとしてもうまく答えて採用されたいと思うでしょう。うまく答えることができて相手の印象が良くなれば採用されるかもしれません。そんな時はよほど自信がない限り、ほとんどの人がひどく緊張してしまうに違いありません。いつもならスラスラと自然に話すことができることでさえ、シドロモドロになってしまうかもしれません。

過剰にそんなことばかり心配していると、誰だって人と話をすることが負担になりますし人付き合いが苦手になります。とり立ててウソをつこうと思ったりしていなくても、自分をもっとよく見せたいとするから負担になるわけです。卑下する必要はありませんが背伸びして実力以上に見せかけようとすればつい余計なことを考えてしまいがちです。

そんな時に役に立つのは”ウケを狙う”というやり方です。それもプロの芸人のように考え抜いたネタを披露する必要はありません。ちょっとした自分の日頃の失敗談にちょっとした尾鰭をつけて、言ってみれば”ちょっと盛って”話せばいいだけです。誰だって普段からまったく失敗しない人なんていません。相手の話す話題に関係しそうな自分の失敗談を話してみれば会話の糸口が掴めることもあるのではないでしょうか?