絵文字はご存知だと思います。ケータイやスマホなどでSNSメッセージを送ったりメールなどに使っている人も多いですね。最近では若い人どころか中高年にまでユーザーが広がっているようですが、ボクはほとんど使いません。なぜならマークが小さすぎて、どれがどれだかわからないので使いたくても使えないのです。それにルーペで拡大して見ても、どの表情が何を意味しているのかすらよくわかりません。笑っているのか泣いているのかは何となくわかりますが、絵文字の一覧を眺めているとほとんどが「これはなにしてる顔?」と思ってしまって選べないのです。そのうちに面倒くさくなって「もういいや」となってしまう訳です。アレにはかつて使われていたという暗号表のようなものがなければボクには使いこなせそうもありません。

一方でLINEなどのSNSメッセージにある”スタンプ”は多少大きく表示される上に「OKなっしー!」などの文字が表示されるものもあるので少しはハードルが低くなります。最もスマホ画面では大きく表示されるといってもシニアグラス(老眼鏡)なしには文字が読めないので似たようなものです。だからボクのスマホには無料のもの以外にはほとんどスタンプは入っていません。

もう20年以上前になりますがケータイが世の中に普及し始めた頃、その用途は当然”電話”でしたがインターネットには繋がらなかったものの同じキャリア同士ならメールも使うことができました。ドコモやKDDI、J-Phone同士だけならメールが使えたので仲のいい友達同士はキャリアを揃えたりしていたものです。そんな中でキャリア独自のサービスとして「うちのキャリアだったら絵文字が使えます」という囲い込みを始めたような気がします。

やがてドコモが「iモード」というサービスを始めてケータイメールがインターネットにも繋がるようになりました。しかしインターネットのメールサーバは世界中にありますから日本の、しかもその中のほんの一部のキャリアだけが使っていた絵文字は文字化けして全く使い物にならなかった訳です。このあたりから日本独自のケータイが「ガラケー」(ガラパゴス携帯電話)と呼ばれるようになりました。つまり日本のほんのごく一部の携帯電話会社だけのサービスとして”世界では通用しない通信”とみなされるようになった訳です。

もっとも、幸いだったのは日本はそのほとんどが、日本人同士が日本語だけを使ってコミニュケーションをする閉じられた世界だったことです。政府の認可制度もあって国内では数社のキャリアが独占できたのも良かったのでしょう。ただ、メールのメッセージはインターネット経由で他キャリアとも繋がるようになりましたが、しばらくの間はキャリアごとに独自に決められた絵文字は他のキャリアの端末では「〓」に文字化けしていました。今ではSNSの台頭などもあって国内ではさほど不自由なく絵文字が使えるようになりましたが、比較的古くからパソコン通信やインターネットに携わってきた人間には「文字化け」というのは最も忌みされるものとして極力使わないことが推奨されたのです。ただ日本語では古くから漢字やひらがななどの2バイト文字が普通に使われてきた経緯もあって絵文字にも寛容だったのかもしれません。

今の絵文字が出てくる前は「顔文字」というものが世界中で広く使われていました。例えば笑顔を表す顔文字は「(^^)」、泣き顔は「(/_;)」といった具合です。最もこれも日本と欧米では異なっていて笑顔も「:-)」、泣き顔も「:-(」などが使われていました。ですから海外の友人から送られてきたメールには意味不明の顔文字も多かったものです。ただこれはアルファベットの半角英数字だけが使われていたので文字化けする心配がほとんどなかった訳です。日本で使われる2バイト文字や半角カタカナなどは古いサーバでは文字化けして読めないということが普通でした。

そんなクセが抜けず、いまだに半角カタカナや絵文字をあまり使いたくないという個人的風習だけが残ってしまい(よく見えないせいもあるけど)、ボクのメールには半角英数字を使った数少ない顔文字ばかりが目立つようになってしまいました。

もっともSNSではメッセージのやり取りの最後に”会話を終わるタイミング”が掴めない人も多いので、そんな時にはスタンプだけを送って「もう終わりにしましょう、またね!」というメッセージの代わりに使っています。デジタルの時代は30年ほどの間に目まぐるしく変わってメールやメッセージの作法はすっかり変わってしまいましたが、顔文字のないメールを受け取っても「これだから昭和のオヤジは…」と呆れることなく優しい目で見たいただければと思う訳であります。