新型コロナワクチン接種の効果について製薬会社や専門家からいろいろな意見が出ている。「2回接種を終えた人の新規感染者は接種していない人に比べて〇〇%の効果があった」「…重症化率は〇〇%」云々。でも平均値がどうであろうが実際に気になるところは「自分はどうなのか」ということだろう。

効果の平均値など意味がない。特に医療の話では個人差があるのだから、ほとんどの人に効果があるからといって自分にも必ず効果があるとは限らない。ましてや元データは製薬会社がお手盛りで出しているデータである。まったくのデタラメということはないだろうが、どこまで信用していいものか判断はつきかねる。

以前も話題にしたが「平均思考は捨てなさい」という本を取り上げたことがある。アメリカ空軍が戦闘機のコックピットを設計する際に、数千人のパイロットの体格を詳細に調べてその平均値で作ってみたら、ほとんどの人の体格には合わないコックピットができてしまったという話だ。そりゃそうだろう。完全に平均的な人など存在しない。

だからといってワクチン接種の効果の平均値がまったく無意味というわけではない。多くの人が受けたところもちろん効果のない人や副作用の酷い人は少数ながらいたものの、効果のあった人がたくさんいたという事実は参考になるデータだ。ただそれが必ずしも自分に当てはまるわけではないというだけだ。

数年前に話題になった子宮頸がんワクチンの時もそうだったが、日本人は「ちょっとでも不安」があると避けようとする「石橋を叩いて渡る」傾向が強い。石橋を叩いているうちに石橋を叩き壊してしまうこともよくある。石橋の上で転んで川に落ちてしまう人が一人でも出ると「ほら、やっぱり危険だ!」と言い出す人が必ずいる。でも普通の人が普通に渡っている限りは大体安全なのだ。

だから石橋は絶対に安全というわけではない。もしかしたら渡っている途中で壊れることがないとも限らないし橋から落ちないとも限らない。だから新型コロナワクチンを打つべきだともやめるべきだとも思わない。データを見て評判を聞いて自分で判断するしかない。その結果ボクはワクチンを打った。でも「絶対に効果がある」と思ったからではない。打たないでおくと今後の社会生活で不便を感じることが多くなるだろうと思ったからに過ぎない。