先月行われた東京オリンピックで、福島県で行われたソフトボールの試合を、「無観客開催」と決まっていたにもかかわらず、不祥事を起こして組織委員会会長をクビになり、関係者でもなんでもなくなった森喜朗が観戦していたという報道があった。そして本人も「観た」と言っている。

多くの国民が「どういうことだ!」と憤った。が、多くの人は彼がソフトボールの試合を観たことに怒ったのではないと思う。自分たち一般庶民が会場に近づくことすら許されなかったのに彼はなんらかの手段を使って”ズルをして”会場の中に入ったことに怒っていたのだ。

日本人は、誰かが得をしたりすることにもあまり寛容ではないが、それが多額のお金を払ったり長蛇の列に並んだりして自分だけがチケットを手に入れられたのなら「仕方ないよな」と諦める。自分に財力がなかったり苦労をしなかったのだから仕方のないことだと思う。

何年か前にフジサンケイグループの買収を巡ってホリエモンが投獄された事件があった。この時、ホリエモンとは別ルートだったが、投資ファンド代表だった村上世彰もインサイダー取引で逮捕された。この時、記者会見で言った「お金儲けって悪いことですか?」は流行語にもなった。そうだ、お金儲けは決して悪いことではない。”ズルをして”お金儲けをすることが悪いことなのであって、お金儲け自体に罪はない。

でもその時、彼は「(インサイダー情報を)聞いてなかったのかと言われれば、聞いちゃってるんだよね」と話して罪を認めた。犯罪者ではあるが、ある意味では潔い態度だった。政治家や官僚にはまず見られない態度だった。
多くの日本人は、元政治家などがなんの苦労もせずに大きな顔をしてふんぞり返る姿には我慢ができないタチだ。だから安倍政権で安倍晋三が権力のままに説明責任も果たさずに言い逃ればかりを繰り返し、挙げ句の果てにコロナ禍で「お腹が痛くなりました」と言って政権を投げ出したことを決して忘れない。しかも2回も総理大臣を務めながら2回とも投げ出している。だから「人柄が信用できない」などと言われるのだ。これは人間として最低の評価である。

ズルをする人間は人として信用ができない。ズルをする人間は必ずまたズルをする。政治家でズルをした人間など最低である。ボクは、できることなら一族郎党末代まで公民権を剥奪して金輪際社会から追放した方がいいと思っているくらいである。たぶん多くの日本人は心の中でそんなふうに思っているに違いない。

政治の世界などで事件が発覚すると、全てのことが「悪」だと思われるフシがある。「政治家だからお金儲けは犯罪だ」という法律はない。しかし多くの政治家は不正な手段で蓄財しようとするから罪に問われる。他の国のことには詳しくないが、韓国では大統領経験者が犯罪者として囚われたりするケースは後を絶たない。韓国人も日本人と同じように「ズルする人」を容赦しないどころか、日本人以上に非難する傾向にあるような気がする。

この辺りは1500年も昔から交流のあった民族同士、血は争えないのだなぁと思ったりしてしまうのだ。