政府は新型コロナの感染予防対策として緊急事態宣言の期間延期と対象地域拡大を決めた。蔓延防止等重点措置を含めると29都道府県に何らかの要請が出ていることになる。これは全都道府県の半数以上だ。そして「県境を跨ぐ移動はやめて!」と言っている。それならなぜ全国一律に危機感を訴えないのか?すべてがチグハグだ。

しかし政府がどんなに大騒ぎしても都会の人出はほとんど減っていないように見える。もはや誰も”緊急事態”だなんて思っていないのだ。マスコミはしきりに「国民が自粛やステイホームに飽きて我慢できなくなった」などと言っているがそうではない。もはや政府の言っていることが何も信じられなくなっているのだ。

病床使用率は60%前後だと言いながら容体が急変して救急車を呼んでも病院に搬送してくれなかったり、保健所に電話しても「入院できる病院はありません」と言われるらしい。これは既に医療崩壊の状態になっている。もはや病人をすべて受け入れるだけのキャパシティがなければ断らざるを得ないのは仕方がない。これこそが「緊急事態」なのではないだろうか。”助かる命が助からない”のではなく、「もう助からない命」になっているということだ。

でも政府が自ら「医療が崩壊しています」などと言えば国民からは、「政府は何やってるんだ!」ということになって、秋に迫っている次の選挙で勝てなくなる。だから選挙が終わるまでは「誰も医療崩壊したなんて言うなよ」と圧力をかけているのだろう。政治家がコロナ対策を考えていないとは言わないが、優先順位の一番は必ず選挙なのだ。

もう2年も同じことを繰り返している。最初は多くの人が政府の言うことを信じて「自粛しないと大変なことになる」と危機感を募らせてステイホームに努めたりテレワークをしたりしたが、いつまで経っても効果が出ないばかりか感染状況は爆発的に悪くなっている。多くの人が、政府の言うことを信じていてもダメなんじゃないかと思い始めている。だからといって効果的な対策も見当たらない。

だったらもうオオカミ少年の言うことなんて信じないで好き勝手やらせてもらうと言う人が多くなっても不思議ではない。みんな我慢に飽きたわけではない。オオカミ少年の言うことを信じなくなっただけだ。