先日、「夢のエネルギー」という話をテレビでやっていた。何か新しいテクノロジーかと思っていたら「核融合」の話だった。原子核反応では一般に核分裂と核融合が知られている。

今の原発で使われているのは「核分裂反応」という核反応だ。ウランという元素が核分裂反応を起こしてセシウムやヨウ素などになるときに莫大なエネルギーを発生させることでお湯を沸かしてタービンを回し、発電する。これが原子力発電所の原理だ。簡単に言えば核反応の熱でお湯を沸かしてタービンを回して発電する。原子力は何に使っているのかといえばお湯を沸かすために使っている。

核融合反応はその逆である。これも簡単に言えば、水素原子2個からヘリウムを作るときに出る熱でお湯を沸かそうというわけだ。そのエネルギーはアインシュタインの特殊相対論が表す

  E=mc2
 (Eはエネルギー、cは光速度、mは質量)

という式で計算することができる。そこから導き出されるエネルギー量を計算すると1gのウランがすべて核反応を起こしたとすると、原理的には平均的な世帯が使う約2年半分のエネルギーに相当するらしい。それは核分裂でも核融合でも同じだ。

でもその考え方自体は別に新しいものではなく、すでに古くから実用化されているものもある。水爆という形で…。ただ爆弾として瞬間的に爆発させることはできても適度な反応を継続させることはとても難しくて、100年近く前から研究されているがいまだに実用化はされていない。

身近な例でいえば(全然身近ではないが)太陽の光と熱は水素の核融合反応によって輝いている。だから太陽光発電は間接的な核融合による発電ともいえなくはない。ただ遥か離れたところで起きている核融合反応だから、制御できない爆発的な反応でも1億5000万キロも離れると持続的なエネルギーとして利用できるようになる。

だが地球上で核融合反応を継続させようとすると、核融合反応の温度を下げないようにするための檻がなければならない。これがプラズマというものなのだが長い間研究を続けていても技術的になかなかうまくできないので実用化がされていないというわけだ。

それでも最近では大きな反応による大規模な発電だけではなく、小さなチップの中で低温度で核融合を起こせる技術が開発されているらしいので、これからのエネルギー対策に少しは期待したいものである。