かつて”野獣”と呼ばれ、ロンドンオリンピックでも優勝しリオ五輪でも3位に入り、向かうところ敵なしだった元柔道選手の松本薫さんがテレビに出ていた。すらっとしたスーツを着てかつての猛々しい表情からは想像できないほど綺麗で色っぽくなっていた。

以前は当然メイクなどもあまりしなかっただろうから、外見に人並みに気を遣えば綺麗になるのも当然かもしれないが、以前の試合の時に見せていた”猛獣”からにこやかな笑顔になっただけでも印象は随分と変わるのだろう。

ところが自身がコメントを話す時になると、ことあるごとに「やっぱぁ〜」を連発してしまう。「やっぱ」は「矢張り(やはり)」の口語体である「やっぱり」の略だ。同じように「やっぱし」も親しい間柄では出てくるが、いずれにしても品の良い単語ではない。口語であることに変わりはないがスラングに近い言葉だ。

立派で上品な姿でテレビ画面に登場しても、若さ故に普段の言葉が口を突いて出てしまう。言葉遣いや口調はすぐには治らない。

今ではもう年代に関係なく当たり前になってしまった「ら抜き言葉」も決して品の良い言葉使いではない。ただ「ら」を発音する人がほとんどいなくなってしまっているのに、NHKも民放もテレビの字幕(スーパーインポーズ)だけは”故意に”「ら」を書き足しているのがいじらしく感じられる。(これも「感じれる」の方が自然なのか?)

見せかけはお洒落やメイクで簡単に誤魔化すことができるが、人格というものはにわかに取り繕うことができない。普段から常に意識して気をつけていなければ身につくものではない。松本薫さんはアスリートとしてとても素晴らしい人だと思っているが、ちょっとしたそんな内面を垣間見てしまってちょっとガッカリした。