♪思い出はモノクローム、色をつけてくれ…♪
最近、テレビCFなどでよく聞く歌だ。まだ学生だった頃に流行っていた。ちょうどバブルの頃で学生も遊び呆けていた。オネーチャンたちが六本木のディスコで”ワンレンボディコン”姿で羽根扇子を持って”お立ち台で躍り狂っていた、と聞いているがボクには縁がなかったので見たことはない。
そのちょっと前には山下達郎が全盛だったが、週刊漫画のハートカクテルや杉山清貴とオメガトライブが出てきたりして、湘南海岸をソアラ(今でいうレクサスみたいな車)で流して、Sea Dogでトレーナーを買って、「珊瑚礁」(鎌倉のR134にあるカレー屋)で飯食って帰るというのがアホな若者の定番のデートコースだった。
アホだったのはボクたちも同じだったがまだバブルの恩恵を受けていなかったので、マツダのファミリアとサーフボードで満足していた。そしてカーステから流れるのが大滝詠一だった。
いつも車の中のBGMに流れていたからほとんどの曲は聴いたことがある。だからテレビからこの曲が流れてきたときも懐かしい感じがした。ボクらの世代は誰もが聴いたことのある曲だが熱狂的なファンになるような音楽ではなく、なんとなくいつも流れている心地よいBGMだった。たぶんそれにハートカクテルの絵が似合っていたのだろう。
今でも仕事中のBGMに流すことがある。熱狂的に好きだったアーティストの曲だと知らないうちに音楽に没入してしまいがちだが、大滝詠一くらいだとライトな感覚で邪魔になることもない。たぶん当時からそんな位置付けだったような気がする。音楽大学を目指しているような友達はちょっと小バカにしていたが、それでも彼の車の中で流れていたのは大滝詠一だった。
山下達郎の音楽は当時からとてもよく作られていたが、聴き始めると勉強や仕事が手につかなくなった。そんな時に重宝したのが杉山清貴や大滝詠一だったわけだ。あの頃はそんなお気楽でライトな時代だったなぁと懐かしく思い出す。