コレクターの考えてること

僕は子供の頃からいろんなものを集めてきたと思う。
日本酒の一升瓶の蓋(サケブタと呼んでいた)、古切手、かつて国鉄がやっていたディスカバー・ジャパンの駅スタンプ…。
ん?それくらいかな?昨今、中高年の間で流行っているスマホのポケモンには興味ないし、小学生の頃大流行した仮面ライダースナックのライダーカードも集める気がしなかった(もっとも友達がカード集めのために買って余ったスナックは貰って食べていた)。一時、古銭を集めようと思ったが、手持ちの小銭の中から周囲がギザギザの古い十円玉を拾い集めたところでつまらなくなってやめた。小学生の頃には戦艦のプラモデルを10個位持っていたが最後は友達と空き地で「大海戦ごっこ」をやって爆竹を仕込んでバラバラに破壊してしまった。

お金持ちの中には世界的に有名なスポーツカーやクラッシックカーを収集する人もいるが、仮に僕にそんなお金があったとしても集めないような気がしている。つまり何かを集めることには基本的に興味が無いわけだ。唯一、僕が集め続けているのはパソコン周辺機器を買うと付属してくる電源コードやUSB変換ケーブルなどである。いやこれは集めているというより”捨てられない”でいるだけだろう。

何かを集め続ける人は我慢強い人だと思う。だって何を集めるにしたって似たようなものばかりですよ。それを飽きもせず集め続けられるのは根気のいる仕事だと思う。アニメのフィギアを集める人がいる。ディズニーキャラのグッズを集める人がいる。非常にマイノリティだが、ダイビングで見つけたウミウシ(殻のない軟体動物でデザインが豊富)の写真を集める人もいる。またアスリートの中には収集癖があるのではないかと思うくらい優勝トロフィーを集めている人もいる。このあたりになると単にカネだけで解決する問題でもないのでコレクターと言っていいのかどうかわからない。しかし、もしかしたらトロフィーを集めることが努力へのモチベーションになっているのかもしれない。(そんなわけないか)

程度の差こそあれ、そもそもどうして人はモノを集めたがるのだろうか?
以前からお話しているように人には生まれつき備わっている避けがたい心理的・肉体的習性がある。その一部は本能とも呼ばれ、食欲や性欲、排泄欲などがある。心理的なものは本能とまでは言えないものの、他人から認められたいという「承認欲求」や他人より優れていたいという「優位性欲求」「征服欲」などは非常に強いものだ。
例えば男性に多く見られる狩猟本能は生きるために”価値の高いもの”を数多く獲ってくることで他者(特に異性)に認められたいという欲求と、他者(特に同性)よりも優れていることを証明できるという一石二鳥の効果が考えられる。集めたコレクションを見せびらかして自慢するということにも同じような効能があるのかもしれない。ただこの場合には収集したものが相手にとっても価値の高いモノである必要があるが、往々にしてコレクターが集めるものは、他人にとってみれば何の価値もないガラクタであることが多いのは笑い話である。

僕には理解できないが、集めたモノが部屋に物が溢れているとなんとなく安心感を感じられ、寂しさや不安を紛らわすことができるという女性がいる。恐らく女性には「優位性欲求」や「承認欲求」が男性よりも少ない傾向があるのかもしれない。アメリカのドラマなど見ているといがみ合っている男同士の間に入って吐き捨てるように「どうして男ってすぐにペニスの大きさを比べたがるのかしら」というセリフをぶつける女性像は割と一般的なようである。一般に女性の収集癖が男性ほど強くないのはそんなところにあるのかもしれない。

僕もいい年になってきて最近は各地で神社仏閣にお参りすることが多くなってきた。そこで御朱印くらいは貰っておこうかなという気にもなっているが、多分コレクションにはならないような気がする。なんせ飽きっぽいものですから。