「できない」はやる気のない人間の常套句だ

「やったことがないから無理」という人がいる。若い人に多い。そんな人に訊いてみたい。じゃあ今までやったことがないことは一度もやらなかったの?

学生時代、誰かのエッセイを読んでいて面白い話に出会った。
北海道の農村部で造園業を営んでいたお年寄りがふとしたことから「ウクレレを始めようと思うんだ」という。

「今まで楽器とかやったことがあるの?」と訊くとちょっと蔑んだような眼で私を見てからフーっとため息をついた。
「バカこくでねぇ。誰だって2回目からは始められねぇべ。最初はみんな初体験だべ」
なんとも哲学的な話である(笑)

先の青年の話を聞けば”できない”のではない。”しない”のである。それならあえて「自分にやる気がないからやらない」のだと言って欲しい。一度もやったことがないのにどうして無理だと分かるのか訊いてみたい。
昔から変わらないが「若いうちは冒険をしろ」などというが実際に冒険する若者はほんの一握りである。一番悪いのは周りのオトナが冒険できないようにジャマをすることだ。なにか新しいことを始めようとすると「そんなことやったって失敗するに決まっている」「そんなんで食っていけるのか?」「もっとオトナになれ」と若者の意欲を削ぐようなことばかりを言う。

ほとんどのオトナは人生を失敗してきている。思い通りの生き方をしているオトナなどほとんどいない。今までの人生でやったことのないことには「できない」と言い続けてきた。「できない」と言えばそれで問題を避けて通れると思っている。その場では問題を避けて通ることはできるだろう。しかし問題は次から次へと押し寄せてくる。すべての問題を避け続けることができるのか、とても興味深い。

「できない」はありふれた考え方の代表格だ。問題にぶち当たってもそれを乗り越えようと思わない人は成功しない。それでも「それ無理!」というやつは放っておけばいい。