人がガンになると病気の進行具合に応じて「ステージ1」から「ステージ4」までのランク付けがされる。もちろんステージ4が一番進行した状態で手の施しようもないということである。

去年の年明けからCovidー19(新型コロナウイルス)が世界中で感染拡大して欧米では多数の感染者や死者を出している。幸い日本での感染状況は欧米の1/100程度で推移してきたので国民の間にも深刻な恐怖感はさほどなかった。

しかし昨年の11月頃から「第三波」と呼ばれる感染拡大が急激に進んでいる。この後に及んで政府は再び「緊急事態宣言を出したほうがいいんじゃないか」と言い始めたが、はっきり言ってこの状況は日本における「ステージ4」だと思っている。

去年の1、2月頃を例えれば初期のガンが見つかったばかりのステージ1だったとすれば、今は全国にくまなく感染が広がり癌が全身に転移してしまったステージ4の状態である。全身にガンが転移してしまったら治療方法も限られる。少なくとも”水際対策”は意味がない。

ガンは血液やリンパなどの体液の流れによって全身に広がっていくといわれている。それは日本の社会に当てはめれば飛行機や自動車、鉄道などによる人の流れだ。政府は感染が拡大しつつあった7月からGo Toトラベルキャンペーンを実施して全国への人の移動を推奨した。そういった人の流れで広がった病巣が各地で独自に拡散を始めている。今の日本はそんな状況にある。

だからといってもうダメかといえばそんなこともない。人の体のリンパや血液の流れを止めてしまえば死んでしまうが、社会で人の流れを止めて全国に広がった各病巣を個別に潰していけば再生できるかも知れない。ただ社会の人の流れを止めるということは言ってみれば経済を止めることに他ならない。それなりに大きなダメージを受けることになる。

しかし全身がガンに侵されてしまえば人の流れを保ったとしても確実に死んでいく。人が死んでしまえば経済など意味はない。人が生きていてこその経済だ。

政府は今までガン対策では「早期発見、早期治療」と言い続けてきたのに、今回の感染対策では早期発見していたのに手をこまねいていて挙げ句の果てにはステージ4にしてしまった。これを愚策と言わずしてなんというのだろう。もはや手ぬるい対策では感染拡大を抑えられない状況になっている。