何年か前から上越や北陸地方などで大雪による長時間の道路で立ち往生が発生している。最近では全体の積雪量が減少している一方で、一気に大量の雪が積もるいわゆる「どか雪」が頻発している。ボクが子供だった頃には田舎がある新潟では市内でも数メートルの積雪は普通だった。しかし最近では市内の幹線道路ではまったく積雪のない冬もあるほどである。

特にトラックなどの大型車はちょっとの雪道ではなかなかチェーンを巻きたがらない。タイヤが大きいから作業が大変だということもあるが車自体の車重が重いから少しくらいの積雪ならノーマルタイヤのままでもそこそこ走れてしまう。だからというわけでもないだろうが過信しているドライバーが多い。

しかし雪が一気に積り始めるとチェーンを巻けるほどのスペースにたどり着く前に道路上でスリップを起こしてスタックしたり道路からコースアウトして動けなくなってしまう。今度はその車重が仇になってコントロールが効かなくなるわけだ。大型車が一度路上で立ち往生してしまうと後続の車も避けて通ることができずに多くの車が道路上に停滞してしまう。そこにさらに大量の雪が降り積もれば万事休すだ。

大規模な立ち往生を防ぐにはどか雪が予想されている時に降り始めたら早めに道路を通行止めにすればいい。ただ一つの道路を通行止めにすれば並行して走る他の道路に車が集中して大渋滞を引き起こしかねない。だから自分の部署が管理している道路を簡単に通行止めにすることが判断できない。そんなことになれば他の道路を管理する部署から非難が集中しかねない。

そんな状況を避けるのは簡単なことだ。付近の全部の道路で交通規制をして通行量を減らせばいい。すべての道路で除雪が追いつく程度のわずかな交通量に絞って通行させればいいのだ。「そんなことをしたら物流が滞る」という反対意見もあるだろうが、すべての道路で立ち往生や大渋滞が発生して動けなくなってしまったら同じように物流は滞るのだ。道路上に動かない荷物が滞留してドライバーが閉じ込められてしまうよりよっぽどマシだ。物流が滞っている事実に変わりはない。

どうしてそれができないのかといえば横の連携が取れていないからだ。国道を管理している国土交通省とその他の道路を管理している自治体、高速道路を管理している道路公団がお互いに非難されることを恐れてす早く柔軟な判断ができないからだ。

現場からトップまで「自分の部署が管理している道路さえ良ければ良い」と考えている。また「自分が勝手な判断をして後で非難されるのは困る」とも考えている。だから取り返しがつかなくなるまで”現状維持”を保とうとする。リアルタイムで連絡を取り合って広域に効果的な対策をとることができない。そしてあっという間に手遅れになる。

自分の都合だけを優先して他に迷惑をかけることも「越権行為だ」と考える。対応できるうちにサッサと対応策を検討しなければいけないのに問題が起きて取り返しがつかなくなってからやっと重い腰を上げる。公務員や大会社の縦割り社会では良くあることだ。しかしそんなことをしていたらカイゼンはできない。それが証拠に何年も前から同じ問題を繰り返し起こしている。これはもはや人災である。