訳あって生活保護の手続きに関わっている。ここを読んでいる人はなんらかの職業についていたり自分の家を持っていたりするので生活保護とは無縁の生活を送ってきたことと思う。ボクも今回初めて生活保護というものに触れて新たに思うところもあったのでここに書いてみる。

市役所の福祉支援課などの窓口に行くと担当者が生活保護の手続きについて親切に教えてくれる。窓口にはたくさんの人が訪れており、高齢者もいるが中年や若い世代の人も多い。それぞれがどんな事情で窓口を訪れているのかは知る由もないがある意味での人間交差点なのかもしれない。

端的に言って今の国民年金だけではとても普通の生活、というより家賃などを払ったらまったく生活出来ない。例えば月に4万円ほどの国民年金から家賃や光熱費を支払ったら何を食べて生きていけばいいというのだろう。

年金は多くの退職サラリーマンに支給される厚生年金を含めても1ヶ月に10万円ちょっとの額だが国民年金だけの支給に比べたらいくぶんマシだし、すでに持ち家があるなら慎ましく暮らしていくこともできる。

ところが自営業などを営んできた場合には年老いてなお収入がある人以外は国民年金がすべてになる。仮に収入があっても高額の収入が得られる上級国民は限られているから悠々自適の生活をしている人は半分もいないのではないかと思う。そしてどうしても生活が成り立たなくなれば最後のセーフティネットとして生活保護を受けることになる。

生活保護の申請には自分が持っている現金や年金の支給額、銀行預金、不動産や車などの資産状況が調べられるのはもちろんだが、自分の健康状態や「収入がない理由」なども聞かれる上に、一族郎党の「扶養義務者」も申告しなければならない。

申告された扶養義務者がその本人を扶養する義務は必ずしもないのだがその人には、「なんの誰べえさんが生活保護を申請していますよ」という連絡がいくことになる。自分が生活保護を受けていることを知られたくないという人はこの時点で申請を断念してしまうらしい。「プライドが許さない」という人もいるのだろう。

でもプライドでお腹は膨れないし雨露を凌ぐこともできない。生活保護を受ければ医療費の負担もなくなる。どうしようもないと思ったら迷わず行政の支援に頼ったほうがいい。

手続きは書類を何枚も書かなければならず面倒臭いが決して難しいものではない。もし身の回りに本当に困っている人がいるならぜひ生活保護という手段を勧めてみてほしい。