ネットやマスメディアで急に「ブラックフライデー」という言葉を目にするようになった。どうやらバーゲンセールのようである。きっと”何か”に感謝してセールをするのだろう。何かって?それは”秋の収穫”ではないような気もする。

毎年、キリスト教の感謝祭(11月の第4週の木曜日)の翌日に行われているのが「ブラックフライデー」だ。売り尽くしのセールをすることですべての店が黒字になることからそう呼ばれているのだという。つまり店にとっては安売りをしてもウハウハというわけだ。

ところで「黒字」を英語でも”ブラック”と言うのだろうか? と思ってネットで調べてみたら”be in black”だった。そりゃ和製英語だったら欧米でBlack Fridayなんて呼ぶことはないだろう。そもそも「黒字」自体の語源は何なのか?かつて経理の帳簿ではマイナスの収益を赤のインクで書き込んだからだという話は聞いたことがあるが、和算の時代もそうだったのだろうか?

せっかくだからこれもネットで調べてみると「黒字」という言葉は大正から昭和初期にかけて広まったとある。そうするとオランダ語やドイツ語でも利益が上がることを”黒”と言うらしいから、明治時代に外国語とともに輸入されて日本語に訳された可能性が大きい。

今年はコロナ禍で多くの業種で売上が急落して経営が厳しい状態になっていると聞くが、物販業では夏から秋口にかけて前年以上の売上を上げているところもあるらしい。おそらくはコロナで「こと消費」(旅行などの”何か”をすること)が減ったため、いつもと比べてお金を使うことがなくその分の予算が余ったからみんなが「モノ消費」(物欲)に走ったのかもしれない。

日本でもアメリカでも今はバブル期以来の株高になっている。これも政府から160兆円にものぼるお金が補正予算として市場に流れ込んだから(まだ全部が執行されているわけではないが)行き場を失ったお金がバブル(根拠なき投資)を引き起こしているのではないかと思っている。

損する人がいれば得する人がいるのは商売の常識だが、今回の新型コロナのような事態では消費自体が大幅にシュリンクしてしまいパイ全体が一時的にせよ小さくなってしまうので、経済的なエネルギー保存は成り立たなくなる。

それでも今回のケースではサービス業の売上の一部が物販に振り替えられたことになったわけだが、これは決して経営戦略的な成功というわけではなく”たまたまそうなった”に過ぎない。

この先も物販だけが伸びていく保証はないし、いくらでも物が売れる時代ではないから、物販業界はこの現状に胡坐をかくことなく新たな次の一手を考えなければならない。少しでも伸びている今こそが次の施策を打つチャンスだと思う。