30年以上前の市販車にも「オートクルーズ」という機能が付いていた。オートクルーズ=auto cruise、そんな英語があるのかどうか知らないが直訳すれば”自動巡航”だ。
当時の”オートクルーズ”が自動で定速運行するようにアクセルをコントロールする機能だったことを考えればまさにドンピシャの言葉だ。
最近では自動運転車が話題になっている。一部では行動を使った実証実験も行われるようになってきたからここ10年くらいの間には部分的に実用化されるのではないかと思っている。
今の自動運転はかつての「オートクルーズ」とは全く違う。オートクルーズの時代には”定速運転”と言いながら高速道路で100km/hにセットしても80〜120km/hくらいの間を早くなったり遅くなったりした。これで”定速”と言えるのかというレベルだ。
しかも80km/hくらいに遅くなると勝手にアクセルを全開にして120km/hくらいまで急加速するようなシロモノだった。
そんないい加減な”自動巡航”はいつしか消えてしまったが、技術者たちはその延長線上に自動運転(オートパイロット)を夢見ていたのだろう。
何事も実現できるかどうか以前に最初の段階では”夢を見ること”が大切だと思う。「こうなりたい」「こうだったらいいな」と思い描くことが実現するための大きなモチベーションになる。たとえそれが今は非現実的なまさに”夢物語”だったとしてもである。逆に夢みることができなければ今以上のことは何も実現できない。
夢みたいな話をするとすぐに「非現実的だ」と否定する人がいる。「そんなことできるわけがない」「やっても無駄だ」という。確かにすぐには実現できないかもしれないしどれだけ時間をかけてもダメかもしれない。それでも前を向いていなければ前に進むことはできない。
できない理由を考えるのではなくどうしたらできるのか、できる方法を考えられる人間でありたい。前に進むための方法を考えることは楽しい。たとえそれが夢物語に終わったとしても…。1歩でも2歩でも前に進むところから100里の旅は始まるのだから。