ていねい語

以前から日本語のおかしな言い回しはあった。「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」。なぜ過去形? 前にどこかの民放のワイドショー番組で「平安時代には過去形が丁寧語だった時代がある」などと言っていたが、じゃあなぜ今頃、平安時代の丁寧語なのか、という点については一切触れられていなかった。少なくとも今の日本で「よろしかったでしょうか?」はおかしい。
街でよく聞く丁寧語風の言い回しでは「どうぞお食べください」なんて言うのもよく聞く。それを言うなら「お召し上がりください」だろと突っ込みたくなる。NHKのアナウンサーあたりもゲスト出演者に「どうぞお座りください」なんて言っている。丁寧に言うんなら「お掛けください」のほうがいいんじゃないの?なんて思ったりもする。もっともNHKには放送コードやアナウンス読本なんていう教材もあるので、そのように決められているのかもしれない。まぁこの辺はどうでもいいところである。が、

どうも許せないのが「~していただいてもよろしいでしょうか?」。そこまで言うなら「~していただいてもよろしかったでしょうか?」くらい言って欲しいなと思ったりもするわけだが、どうも最近は言葉を長くすれば丁寧になるものだと思っているフシがある。「~していただけますか?」でいいじゃないか。小さな舟に乗る時にも「ライフジャケットを着けていただいてもよろしいでしょうか?」。いやいや法律で着用しなくてはいけないと決まっているのだから「ライフジャケットを着用してください」でしょ。

そのうちに「交差点では信号を守っていただいてもよろしかったでしょうか?」なんていう訳のわからない言い回しが出てくるんだろうなぁ。

※NHK放送文化研究所発行の「ことばのハンドブック第2版」では、この件については触れられていませんでした