太平洋戦争でアメリカに負けた日本人が今では喜んでハワイに行っている。先日テレビで、家電量販店と街の電器屋さんの話をしていた。一頃は全国にあった「ナショナル(松下電器)ショップ」や「日立のお店」も家電量販店の勃興とともにバタバタと潰れてしまった。しかし街の電気屋さんに限らず、ある意味では身近な個人商店はありがたいものである。

量販店に行けばたくさんの種類のメーカーの製品が格安で売られている。値段だけで見れば個人商店に勝ち目はない。しかし家電製品で言えば、店は新品を買うだけの場所ではない。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどがある日突然故障してしまったら困り果ててしまう。一時的にでも修理して使えるようにしたい。そんな時に個人商店はありがたい。

ネットショップが増えて家電量販店も厳しい経営が続いている。量販店で実物を下見してネットショップでもっと安いものを探して買う。店を持たず在庫を抱えることもあまりないネットショップと戦っても価格で勝ち目はない。量販店は知名度が強みだが、価格.comなどのネットの価格比較サイトを見れば安いところは無名のサイトでも載っている。

それは安物買いの使い捨て時代なら別に困らないが、不具合が出たものを修理して使おうとすると途端に困ってしまう。どこに持っていけばいいというのだ。量販店に持っていっても「ウチで買ったものじゃないので修理はできません」だの「修理は高くなりますから新しいものを買われては?」などと言われてしまう。

でも街の電器屋さんならそんなことは言わない。面倒臭そうな顔をされることはあっても、とりあえず”なんとかしよう”と頑張ってくれる。なぜなら店にやってきたお客は店のそばに住んでいるはずで、ここでいい思いをすればこれからお付き合いが始まるかもしれないからだ。

こんな時こそ量販店と街の電器屋さんは手を組む時ではないだろうか。その番組でやっていたのはヤマダ電機が仕入れた商品をそのままの仕入れ値で街の電器屋さんに卸すのだという。当然、品揃えでは量販店には敵わないが、街の電器屋さんに価格面での弱みはなくなる。小さな店にやってきたお客が店にないものも見てみたいと言えば量販店に案内すればいい。結果としてその時は量販店で買うことになったとしても、街の電器屋さんは家電の相談者としての地位を確立する。何か困ったことがあればお客は店に相談に来る。

日本は戦争でアメリカに負けたが、今ではある程度の相互協力の上に成り立っている。何も安全保障の話ではない。貿易にしても観光にしても、お互いのいいところを認め合って関係を築いている。街の電器屋さんは大型量販店に駆逐されてしまいそうになっている。でも相手を敵としてしかみないのはお互いにとって無駄が多くてモッタイないことだと思う。人は一人で生きているのではないのだから。