中学生の頃、アマチュア無線(ハム)にハマっていた。自宅のシャック(部屋)でトランシーバーを使って世界中の人と交信を楽しんだ覚えがある。もっとも英語もろくすっぽ話せなかったがアマチュア無線の世界には隠語のような略語があって中学生レベルの簡単な動詞や形容詞がわかればそこそこの会話が楽しめるのだ。アマチュア無線家の中には自分で無線機を作ってしまうような強者もいたがボクはせいぜいアンテナを作るくらいが精一杯だった。

20代の頃は車に無線機を積んでドライブしながら友人たちと情報交換をしたりした。だからボクにとって無線は割と身近なものだった。もっとも今ではトランシーバーで会話することもなくなったが、その代わりに30代の頃には携帯電話が普及し始めたので”無線”といえば携帯電話が一番身近になり今に至っている。

しかし携帯電話以外にも無線が当たり前になったものがいくつもある。古くはテレビやエアコンのリモコン、最近ではWi-fiやブルートゥースなどが一般的だ。我が家でもリモコンはもちろん、パソコンやスマホ、プリンターは家庭内でWi-fi接続しているし室内を飛び交っているWi-fiの電波を見れば果てしないほどの近隣の家のWi-fiが受信できる。(もちろんパスワードがわからないので接続はできないが)

インターネットへの接続だけではなくパソコンに接続されているキーボードやマウスも無線だ。これらはブルートゥースでつながっている。テレワーク対応でオンライン会議をするために最近買ったマイクとイヤホンがセットになったヘッドセットもブルートゥースだ。これならパソコンの前を離れる時にもいちいち外す必要がないので便利この上ない。

腕時計や壁掛け時計も電波時計になった。腕時計は電波ソーラーなので電池交換も時刻合わせもなく15年以上動き続けている。ノータッチとはまさにこのことだ。便利な時代になったものである。

10年ほど前からキッチンの洗剤のボトルまで無線になった。別に洗剤のボトルと交信しているわけではないが、魚の下拵えなどしていて手がベタベタになっている時に洗剤のボトルに触ることなくてを洗えるのはとても重宝だ。

ところが洗面所に置いてある「薬用石鹸ミューズ」のボトルは20年近く前の手動プッシュ式のボトルだ。今までは帰宅時くらいしか使うことがなくほとんど減らなかったのだが、ここへきてコロナ騒ぎで手洗いの回数が増えたためにミューズが一気に減り始めてとうとう底をついた。今までなら詰め替え用を買ってくるところだが、せっかくなのでミューズもボトルに手を触れないで使えるようにしようと思って無線式に変えることにした。無線といっても赤外線式の、ボトルの前に手を出すと泡状の洗剤がムニュ〜と出てくるだけのものだ。

これからは感染症予防などを考慮して無線(非接触)のものがますます増えてくるのだろうか。すでに電子マネーはSUICAを使っているし電車に乗るにもモバイルSuicaで定期券やチャージもネット経由で買うことができる。これから無線になって欲しいと思うものはなんだろうか。これが何かのイノベーションを生み出すのかもしれないと楽しみにしている。