全国で緊急事態宣言が解除され、安倍総理は記者会見で「都道府県をまたぐ移動も”許可”された」と述べていたが、一連の自粛要請はやっぱり”禁止命令”だったのだなと合点のいった今日この頃である。

コロナ自粛の余波でテレビでも再放送や過去の番組に焼き直し、映画が多く放送されているが、そんな中にロバート・ゼメキス監督のアメリカ映画「Back to the Future」があった。しかも2週連続の2本立てだ。これは過去に映画館でも見たが、主役のマイケル・J・フォックスが現在はパーキンソン病で闘病生活をしているという噂も聞いていたので懐かしくなって見てみることにした。

ご存知の方も多いと思うが、映画の中での”現在”は封切当時の1985年なのだが、実験中のアクシデントで1955年にタイムスリップしてしまうという話だ。第1作の中では過去に行った主人公がすったもんだの末に現在に戻ってくるというストーリーだったが、続く第2作では未来の世界に行くという話になっている。

主人公たちは1985年から30年後の未来、すなわち2015年に行くのだが、気がつけばもう現実は2020年になっている。2015年などとっくの昔に過去だ。しかし今になってみれば1985年に人たちが考えた2015年はどんな社会だったのかを知るにはとても面白い映画だ。

ジョージオーウェルが1949年に未来世界を描いた「1984年」も、「マーティー」や「ドク」が1985年から訪れた2015年ももうすでに過去になってしまった。時代の流れの速さをしみじみと感じている。”ビッグ・ブラザー”は世界の各地で散発的に発生はしているが幸いにして世界中が支配されてはいないし、空飛ぶタクシーやホバーボードはあと一歩のところまで来ているがまだ実現していない。

それでもゴミからエネルギーを取り出したりする発想はあの頃から十分にあったことなのだろうが、残念なことにタイムマシンはいまだに発明される気配はない。

前作で俳優だったロナルド・レーガンが大統領になっていることに1955年のドクは驚いていたが、しかし流石の作者もガキ大将だった「ビフ」が現実に大統領になっているところまでは考えつかなかったらしい。そして世界は壊れかけているというところが「現実は映画より奇なり」といったところなのだろうか。

1985年だった昭和60年にはオーウェルの小説の影響もあって未来社会を想像することがまだ流行していた。しかし今では地球温暖化による異常気象や環境破壊が大きくクローズアップされて明るい未来を想像することがだんだんと難しくなっている。それでも理想だけは明るく描いていないと現実までもが暗い方向に引きずられてしまうのではないかとちょっと心配になるのだ。