テレビ東京で平日の23:00頃から放送しているWBS(ワールド・ビジネス・サテライト)という番組を見たことはあるだろうか。ボクが20代だった頃からやっているからもう30年以上も続いているのでご覧になった方も多いだろう。テレビ東京は民放だが日テレやTBS、フジ、テレ朝のようにチャラけた雰囲気もなく独特の視点から話題を探して掘り下げていくので昔からよく見ていた。

最近はどこもコロナ騒ぎでNHKも民放も金太郎飴のように同じような番組構成になっているのでほとんど見る気にもならないのだが、WBSだけは時々見ている。WBSの前にやっている「カンブリア宮殿」も時々興味深い話題を取り上げることがあるので、村上龍のコメントは鼻につくがセットで見ることも多い。

テレビ東京はかつて「東京12チャンネル」という関東地方の民放の中でも相当イケてない放送局だった。マンガ雑誌の4コマ漫画では、地球最後の日がやってきて他の局が大騒ぎで報道番組を組んでいても東京12チャンネルだけはただ一つ”我が道を往く”とばかりにゴルフ中継をやるのではないかとからかわれる具合だった。確かに当時はいつ見てもゴルフ中継をしていたように記憶している。

かつて初めて東京タワーに連れて行ってもらった時に、タワーの真下にある東京12チャンネルのスタジオを見て「ここだったら東京タワーのすぐそばだからすぐにいつでも放送できるよなぁ」などと根拠なく思ったのはボクが小学校に上がる前だっただろうか。

放送局自体もCMをほとんど流していなかったので恐らくはまったく儲かっていなかったのではないかと想像するが、ボクの印象に残っているのは1日中CMだけを流す”CMコンテスト”のような企画を白昼堂々やっていたことだ。特に番組としての構成もなく応募されたCMをただただ流すだけで、その合間に解説者が簡単なコメントを述べるだけの番組だった。番組の合間にもCMを流していたのだがそのCMが見劣りしていたのは確かだ。コンテストの主催者が誰だったのか、その結果がどうなったのかも知らない。

そんな相当に変わった放送局だったが、途中で日経新聞の資本が入ってからは深夜を中心に番組の内容が随分と変わった。というよりボクが子供の頃には放送している時間もかなり限られていたような気がする。夜遅い時間に政治経済の話題を取り上げたWBSが始まったのもその頃だったような気がする。職場の同僚の間でもWBSが話題になることが増えて、見ていないと仲間の話題についていけないほどだった。

昔からそんな尖った放送局だったが、この時期にNHKをはじめとして他の民放局が総崩れとなる中、つまらない世論に流されることなく地球滅亡の日にも淡々とゴルフ中継をするような毅然とした(?)編集方針でこれからの日本を引っ張って欲しいと思っているのはボクだけだろうか?