人は非常時になるとどうしたらいいのかわからなくて右往左往してしまう。慌てて緊急回避的な対策を考えたりするのだが、そんなときには人それぞれに普段から考えていることや素の人格が露わになってバカな行動をしてしまうことが多い。ボクはこの様な状況を「バカ発見器」と呼んでいる。ちょっと前にもネットで話題になった言葉だ。

2011年に福島で原子力発電所が爆発したときにも時の総理大臣だった菅直人は自衛隊や東京電力はおろかすぐに避難すべきだった近隣の住民に対してまで嘘の状況説明をした挙句、バカが丸出しになって総理大臣の椅子から引き摺り下ろされた。その後の総理大臣になった鳩山由紀夫はさらにバカな姿を晒してあっという間にクビになった。それもこれも平時だったらわからなかったことで原発事故という未曾有の危機があったからこそ明らかになった。

その代償はとてつもなく大きなものになってしまったが、せめて愚かなリーダーをあぶり出すことができたのはせめてもの救いだ。そして今回のコロナ騒ぎである。今の安倍総理大臣も判断力のなさゆえに有効な手立てをタイミングよく示すことができずに感染を拡大させている。有識者たちも言っているようにこのウイルスは潜伏期間が比較的長く感染していても症状の出ない患者が非常に多い。経済対策とは全く違って対策を打ったからといって次の日から効果が出るものではない。

彼の頭の中は自分がこれまでやってきた(と自慢する)大して効果のなかったアベノミクス(と自分で呼んでいる)が元の木阿弥になって自分の無能さが露わになってしまうことを恐れているだけだ。自分さえ良ければ後のことなどどうでもいいのだ。それは「もり・かけ事件」でも垣間見えたがこの世界的重大危機に直面してすっかり化けの皮が剥がれた。もっともそれは与党だけに限らず野党の諸氏も同じことではあるのだが。

こんな時だからこそそれぞれの人の対応を見るとその人がバカなのかどうかの中身が透けて見える。安倍と麻生はダンマリを決め込んでいる。この人たちには日銀を脅して金融緩和をさせることしかできない。韓国の大統領も急に首相に押し付けて自分は雲隠れしてしまった。東京都知事はこの隙をついて愚かな総理大臣を背後から切りつけている。この人も決して頭のいい人ではないが女性だけにチャンスをモノにするという点では今の総理大臣など敵ではない。自民党の幹事長も味方につけてもう一度自民党に出戻って次期総理大臣を狙いそうな勢いだ。

思い出すのはアメリカの9.11(同時多発テロ)の時のニューヨーク市長だったブルームバーグ氏だ。今年の大統領選に出てきたが如何せんあれから時間が経ち過ぎた。もはや神通力はなくなっていた。鉄は熱いうちに打たなければいけない。

かつて民主党の菅、鳩山をはじめとしてバカ発見器に捕まってあえない最後を遂げた有名人は多い。安倍、麻生は今まさにバカ発見器の洗礼を受けている。暗い話題ばかりの今日この頃だが、「せっかくこんなことになったんだからバカを見つけてみようよ」と最悪の苦難をいつもポジティブに捉えるマラソンの名指導者だった小出監督なら言ったかもしれない。