ちょっと前までNHKでは1日中国会中継をやっていた、と思う。最初の3秒くらいしか目にしないのでその後もたぶん続けているのだろうという憶測だ。国会中継で一番つまらないのは本会議である。全員が前もって誰かに書かせた原稿を読むだけで興味も何もわかない。それに比べると予算委員会はいくらかマシだ。予算委員会以外の委員会が中継されることはほとんどないので他の委員会がどうなのかはまったく知らない。

予算委員会の質疑といえばかつてロッキード事件の証人喚問などが開かれてメジャーになったが今まで予算委員会で予算の審議をしている場面は一度も見たことがないのはボクだけだろうか。実に不可解と言わざるを得ない。

国会中継で流されるのは大抵が総理大臣をはじめとする国務大臣や与党議員、官僚たちの不祥事が起きた時だ。汚職もあれば法令違反にとわれているときもある。そんな時は野党の議員からまさにイジメられて答えに窮している場面が全国のお茶の間に生中継される。それを大真面目に見ている人が何人いるのかさえまったく興味がわかないのだが、悪徳議員とつながっている悪者たちは自分の身を案じてハラハラしているのかもしれない。

そんな中でも与党の議員が質問に立つこともある。おそらく質問に答える側にしてみれば一陣の涼風が吹く心休まる心地いい時間なのだろう。言ってみれば国会質問中の休憩時間のようなものだ。総理大臣や官房長官などにしてみれば自分の舎弟のようなものだ。嫌な質問で答えに窮することもなくイヤミを言われることもない。仮にそんなことをすれば委員会が終わった瞬間に与党全員からオシオキを受けてしまう。常に優しい言葉で”親分”が気持ちよく過ごせるように心配りをするのが質問者に与えられた使命だ。

そしてそんな場面を見るたびにそんなものはいらないんじゃないかといつも思う。与党質問の間は「おかあさんといっしょ!」や「忍たま乱太郎」でも流しておいたほうが世のママたちにも重宝されること間違いない。

「総理の施策は国民のことがキチンと考えられていて素晴らしい」「アベノミクスはさらなる経済効果をもたらすことが見込まれますがいかがでしょうか?」。もはや質問ではない。そんなヨイショに質問に時間と我々の血税を使うなどもってのほかだ。はっきり言って茶番である。

茶番とは”お茶くみ”のことである。昭和の時代には”腰掛け”で就職したOLたちの主要な業務だったお茶出しだ。歌舞伎の世界ではまだ未熟なものがお茶汲みをしていたという。そういえば当時のOLたちには仕事など教えることはなく職場の華として男性社員が気持ちよく仕事ができるように動くことだけが求められていたので、職場では”未熟”以前に仕事をさせてもらえないような時代だった。

歌舞伎の世界でも芸が未熟なお弟子さんたちが楽屋でこっそり芸のお稽古していたのが”茶番劇”の始まりだと言われている。だから下手くそな演技とつまらなくオチのない話というのが茶番劇の姿だったわけだ。これこそまさに与党議員の委員会質問そのものである。まったくもって見るに耐えないというよりも見るだけ時間の無駄だ。

そんな茶番に気を良くして再び野党議員から締め上げられるとまったく質問に答えることなくのらりくらりと時間を潰し始める。さっさと野党に聞かれたことに真摯に回答するべきなのではないかと思うが「先ほどもお答えしました通り…」などと言っている。先ほども答えていないからもう一回聞いているのにまったく人の話を聞いていない。これはコミュニケーション障害だ。そんなことだから政権不支持の理由で「人柄が信用できない」が過半数を超えるのだ。人柄が信用できないというのは人として最悪である。政治家失格だ。そんな人間をいつまでもリーダーにしておいてはロクなことにならない。