昔から日本人のお風呂の適温は42℃と言われてきた。小学校の時に毎月読んでいた学研の「科学と学習」でも当時人気だったドリフターズの荒井注さんがそう言っていた。しかし家のお風呂に温度計を持ち込んだことがなかったので実際の温度はわからなかった。今の我が家のお風呂はガスだが給湯の制御は電気でやっているので「給湯温度42℃」などと表示されている。また温泉施設の湯船でもお湯の温度が表示されていることが多い。それらを見ていると42℃はお風呂の温度としてはかなり熱いのではないかと思っている。

我が家のお風呂は夏は37℃、冬は高くても40℃くらいで42℃ということはない。逆に42℃では熱いくらいだ。実際に温度計を持ち込んだことは未だにないが他での経験を踏まえればそう間違った数字ではないと思う。他の家庭ではどうなのか聞いたことはないが恐らく同じようなものなのではないかと思っている。

NHKの朝の情報番組「あさイチ」でもアナウンサーの近江さんが実験の際に「(お風呂の温度は)高めの42℃で」と言っていた。やはり他にも42℃は熱めだと思う人はいるのだ。これは日本人の好みの平均が変わってきたからなのだろうか。ぬるま湯の好きな日本人が増えたのだろうか。もっとも現実社会でも日本人はぬるま湯が好きだからわからないではない。

と思ってネットを検索してみたらこんな調査があった。地域別・年齢別にお風呂の平均温度を聞き取った調査だ(2017年)。もっともNiftyのアンケートなので信憑性は?であるがそれによれば、

北海道:   40.7℃
東 北:   40.6℃
関 東:   40.2℃
北陸・甲信越 40.3℃
東 海:   40.1℃
関 西:   40.3℃
中国・四国  40.2℃
九 州:   40.1℃

北海道や東北地方は高めだがそれ以外は変動の範囲内だ。寒い地方だからお風呂も熱くするというのはいかにも短絡的な考えのようにも思える。夏にも冬にもウエットスーツでダイビングをしているごく少数の日本人の方はよくお分かりだと思うが、0.1〜0.3度という水やお湯の温度の違いは人間の皮膚にはかなり敏感に感じるものだからこんな調査にも一定の意味はあるのかもしれない。また年代別では、

30代: 40.0℃
40代: 40.1℃
50代: 40.2℃
60代: 40.3℃

と年齢が上の世代ほど高い温度を好むらしい。これらの世代が昔からそうだったとすればだんだんとぬるいお湯を好むようになってきたのだと言えなくもないが今となっては調べようもない。

ところが海外ではこのように40℃前後のお風呂に浸かる国民は少ないらしい。イタリアやドイツ、トルコあたりの温泉でも30〜35℃くらいの湯船に浸かるのだという。ほとんど温水プールの温度だ。海外では湯船に浸かるという習慣も少なくお風呂に対する考え方も違うのだろう。日本人がリラクゼーションを求めて温泉やお風呂に入るのとは違って彼らは治療のために温泉を利用している。日本でも古くから湯治は行われてきたが同時に体や心をリラックスさせる目的も大きい。そう思うと「よくぞ日本に生まれけり」と嬉しくなってしまうのである。

テレビのアンケートで「亭主が熱いお風呂が好きで家のお風呂は48℃にしている」と答えている人がいたがこれはもう体に害がある温度だろう。出演していた医師からも「体に悪いのですぐにやめた方がいい」と忠告されていた。もっとも熱い風呂が好きでそれで早死にしたとしても本人がそれでいいと思うなら幸せなのだろうと思う。人の好みを無理強いするつもりはボクには毛頭ない。