先日の台風による豪雨では東日本から東北にかけての広い範囲で大きな被害が出た。一昨年の九州北部豪雨、去年の西日本豪雨では九州から西日本にかけて土砂崩れや浸水被害をもたらし、昨年の台風21号は大阪に、今年の15号は千葉県などで暴風による被害が出た。大きな災害が起きるとニュースなどで報道されるが、一方で比較的小規模で辺鄙な地域の被害は報道されないことが多い。

神奈川県でも箱根や相模原の被害は広く報道されているが丹沢の山奥の山北町にある丹沢湖のさらに奥、西丹沢の登山口に向かう道で起こった土砂崩れによる通行止めなどは現地施設のホームページですら知らされていない。バスを運行している会社のホームページでわずかに「○○から先、通行止め」と書かれているだけだ。秋口には毎年観光客や登山客が押し寄せるところなのに現地の施設からは何のエクスキューズもない。

山歩きをしようと思って東京からはるばるやって来た人たちも登山口に向かうバスの乗り場に来て初めて「不通です」「行かれません」と言われたらどう思うだろうか。家を出る前に分かっていれば行先を変更するなり中止するなりの対応が取れたのだ。分からなかったばっかりに一日を無駄にすることになる。インターネットが発達している昨今、情報を素早く更新して告知することは十分に可能だしお金もかからない。逆に何も知らされていなければ何も起こっていないと理解しても無理はない。

被害を広く知らせることによって”風評被害”が起きてその後も観光客が減少し続けることを危惧しているのかもしれないが実態は全く逆だ。事実を隠すことによって誠実さを疑われ信用できない人間というレッテルを貼られてしまったら、それを剥がして元通りにするにはとてつもなく長い時間がかかるということをどうしてわからないのだろうか。風評被害は自らが巻き起こしていることに全く気付いていないのは愚かの極みである。