あまのじゃくは天の邪鬼と書く。辞書を引いてみると

”わざと他の人の言うことやすることに逆らう人”(三省堂国語辞典第7版)

とある。漢字の意味もネットを調べるといくつか出てくるが諸説あって正確なところはよくわからない。そもそもは古事記や日本書紀に出てくる天探女(あまのさぐめ)というひねくれ者の神様の名前から来ているとも言われている。神代の昔、天照大神(あまてらすおおみかみ)を裏切って上司の神様である天稚彦(アメノワカヒコ)に告げ口した報いを受けて悪神にされてしまったのだそうだ。

他人がやっていることと逆のことをしたりすればその人からは嫌われる。小さな子供は時々そんな行動をする。その多くは「相手にして欲しい」からであることが多い。幼稚な考えだが相手が嫌がることをすればその人は否が応でも子供を叱ろうとする。叱られてもいいから子供は自分のほうを向いて欲しかったのかもしれない。

ママがスマホに夢中になって子供のほうを振り向かないのは最近の街中でよく目にする光景だ。そんな時に子供は大きな声を出したり悪さをして何とかママにこっちを向いてもらおうとする。そんな時にもスマホから目を離さないで「煩いわね、静かにしなさい!」などと言っている母親を見ると、この子は将来どんな大人になってしまうのだろうと他人事ながら心配になる。その癖に「うちの子供は聞き訳がなくて」などと子供のせいにしているのは醜い行動だ。

”悲しい時には楽しいふりをしてごらん”という詩がある。嫌な好ましくない感情を持ってしまった時には逆に反対の行動をして、行動の力で感情を良いほうに向けようという訳だ。感情は必ずしも行動を伴わない。しかし行動は感情を引き連れて来る。行動することで良い感情を引き起こそうというのだ。

逆に自分に大きな悩みがあるのにそれを表に出さないで、誰かに心配されても「私のことはいいからぁ」と他の人の喜びや悲しみに寄り添おうとする人もいる。それはもちろん他の人の支えになりたいという気持ちもあるに違いないが、自分自身がそういう行動(発言)を起こすことで自分の気持ちを奮い立たせようとする無意識の意図もあるのかもしれない。これは言ってみればWin-Winの解決策であって、天の邪鬼とはちょっと違うような気がする。