日本人は何でもみんなで一緒にやるのが大好きだ。多くの人が一人だと何もやらない。中には一人で飲食店に入れない人もいるという。もっともボクだって一人で銀座の甘味処に入るには勇気がいる。ただスイーツにはもともと興味もないので困ったことはない。初めての焼肉屋でも赤提灯でも一人だけで暖簾をくぐるのに躊躇することはない。

夏休みやお盆休みランチタイムにも集団行動は付いて回る。特に春先の新橋や新宿あたりでは新入社員たちがぞろぞろと連れ立ってランチ行脚をする姿は恒例だ。学生時代には”連れション”などという言葉もあった。休み時間に友達と連れ立ってションベンに行くのだ。それには特段の意味はない。いや一人だけでは寂しいのかもしれない。

何でもみんなが一斉にやれば混雑する。電車やホテル、観光地も混み合うし道路も渋滞する。ランチタイムには一気にたくさんの客がやってきてお店も困る。客も長い行列に散々待たされてうんざりしている。ほんの10分前までガラガラだった店内が一瞬で大混雑だ。それでもみんな一緒がいいのだ。

かつてサービス業で働いていた頃には週末や祭日、連休には全く休みが取れなかった。いや休みがなかったわけではない。ボクの休みは毎週月曜日と火曜日だった。その当時どこかに出かけて出会う人は床屋か美容院の人ばかりだった。どこに行っても空いていた。どんな有名店でも行列に並ぶことなどなかった。それが当たり前になってしまった。

でも月・火休みだと観光地や博物館・美術館に行っても休館日だったりする。お店が定休日だったりする。だから自然に有名観光地や遊園地に行くことはなくなった。それでも空いている方が好きである。行列なんてまっぴらごめんだ。有名なところなど行かなくてもいい。みんなと一緒は嫌なのだ。人並みに週末に休めるようになってからもその習性は治らない。