休日ともなれば都心や街中の公園・広場などでは様々なイベントが開かれている。イベントにはたいてい何かのテーマがあって、そのテーマに沿った出展や出店などが集まっており、そのテーマを題材にしたコンサートや踊り、ショーや講演などが行われる。ボクも今までにいくつかのイベントに行ったことがある。いわく北海道博、タイフェスティバルなどの地域系、全国駅弁フェス、B級グルメフェアなどのテーマ系などその趣旨は様々だ。

これらのイベントには主催者のほかにイベントの企画をする企画会社が関わっていることも多い。ただ漫然と出店者を集めてもそれだけでイベント自体が盛り上がることは少ない。会場の立地はもちろんだが会場内のスペース設計、イベントのスケジュール、出店者の募集と選択、イベント係員の募集と管理、会計など運営にかかわることは多岐にわたるため、ちょっと大きなイベントになれば主催者が手弁当でチョコチョコっとこなすことは難しいだ。

イベントも毎年決まった季節に決まった地域で長年にわたって開催されているものもあり、そういったイベントはものによっては全国的に認知されているものもあって、地域の活性化や業界を盛り上げるのに一役買っている。

その一方でゲリラ的にポコッと開かれるイベントの方が圧倒的に数は多い。中には主催者の思いつきでやっているのではないかと思うようなイベントもあって、イベントの目的すらよくわからないものまであったりする。しかしイベントを開催するには少なからず費用も掛かるので、商売ベースで考えれば何らかの経済的な見返りがなければやる意味はない。それはイベントに限らずキャンペーンなどでも同じだ。

何かのキャンペーンやイベントが行われると開催後に応募者数や参加者数が発表されるのが普通だ。それは一般に公開されることもあるし関係者の間だけで共有される場合もある。そのほとんどで主催者から述べられる感想は「予想以上に多くの人が来場されて大成功でした」というようなコメントである。確かにたくさんの集客があったのなら誰も来ないイベントよりは成功と言えるだろう。閑散としたイベント会場程みすぼらしいものはない。

しかし1回限りのイベントにたくさんの人を集められたから”大成功”というのはちょっと違う。飲食店などでは昔から一回限りの通りすがりでたまたまお店に入ってくるお客さんを「一元客(いちげんきゃく)」と呼んでいる。地方の観光地などにたまたまやって来てお店に入る人はほぼ一元客だ。彼らはその観光地に来たからたまたまお店に入っただけで、観光に来なければそのお店には行かない。もしかしたら一生のうちに二度と訪れることはないかもしれない。そんなお客さんを何千人集めたところでこの効果は一度限りである。イベントが終われが「ハイ、それまでよ」だ。

一回限りの効果しかないマーケティング施策には意味がない。ファンを増やしてリピーターを作らなければすぐに元に戻ってしまう。毎回毎回同じことにお金をかけていつも違う”一元客”だけを集めていたのでは何とも勿体ない。ハッキリ言ってカネの無駄である。一度に何人集められるかではなくその後に”何度も来てもらえる”ような施策が大切なのだ。

そのためにはその地域に住んでいる人や日常的に通っている人、趣味などで多少の困難があっても必ずやってくるコアなファンなどにアピールしていくことが大切だ。ただラーメンブームなどのようにコアなファンが非常に多くても、多くなりすぎてしまうと参入してくる人たちも多くなるので競争は激しくなる。するとどこからか「○○協会」などを名乗る団体が出てきて”公認”させようとするようになる。試験料や公認料などで荒稼ぎをしようとする”協会ビジネス”である。

狭い地域でコアなファンを増やしていくには地道なマーケティングを継続していくことが一番確実だ。もちろんそれ以前に提供するサービスや商品が秀でていることも大切だが、それだけでは誰も振り返ってはくれない。狭い範囲でもある程度は世に知らしめることは最低限の条件だろう。そのためにマーケティングがあるのだから。