世間のサブリミナル効果

ニュースを見ているといじめ自殺の事件が全国各地で立て続けに報道されたり、あおり運転や飲酒運転による事件や事故の話題がやけに多い日があったりする。しかし警察庁の統計を見てみるとその年やその月だけに特別同じような事件や事故が発生しているわけでもない。「 鬼薔薇事件」神戸連続児童殺傷事件の後には特に凶悪殺人や猟奇殺人が昔に比べて多くなったと言われてきたが、これも統計を見てみると明治や大正、昭和初期の方が殺人事件の件数も猟奇事件も多いことが分かる。つまりマスコミはこのように故意に話題にして世論を誘導しているともいえるわけだ。

「そんなことアタリマエじゃん」という向きもおありだろうが、大きな事件や話題にならないような小さなことでも、闇の大きな力が作用しているのではないかと思うことがある。最近では旅客機パイロットや客室乗務員の飲酒問題や豪華客船「にっぽん丸」の船長の飲酒問題だと言われているグアムの岸壁激突事故だ。確かに公共の乗り物で起きたこのような事件・事故は由々しき問題だと思う。しかしそれらに注目させることでその裏には注目されなかったことが隠されているかもしれない。

以前にもここに書いたことがあるが、マスコミは「報道の自由」については躍起になって問題視するが「報道しない自由」については何も語ろうとしない。政府の圧力などで自由な報道が少しでも妨害されると「民主主義の危機」だの「統制社会の復活」だのと書き立てるが、大きな問題であるにもかかわらずニュースで取り上げなかったことについては「私どもの編集方針と裁量」と言って逃げる。沖縄の基地問題の派手な反対運動は「映像”ばえ”」すると思っているのかワイドショーでまで延々と取り上げるが、肝心な基地問題の閣議決定や官僚の答弁について取り上げられることは極めて少ない。

「サブリミナル効果」というのを一度は耳にしたことがあるだろう。サブリミナルとは「潜在意識の」という意味である。何らかの方法で人が意識しないうちに潜在意識に働きかけるような手法をサブリミナル効果と呼ぶ。過去に映画やテレビなどで使われた手法としては、1秒間に数十フレームという普通の映像の中に1フレームだけ全く関係のない画像を仕込んでおくような方法だ。もちろん見ている人の意識には全く気付かれないが、無意識下に働きかけて心理を誘導する目的に使われた。現在ではNHKも民放もサブリミナル的表現方法を禁止しているので公に使われることはないはずだが、映像の技術手法以外でサブリミナル効果を作り出す心理手法がないわけではない。

かつてのナチス・ドイツのヒットラーはこのような手法の研究に熱心だったという。それは大規模な集会におけるサクラの配置や人数、民衆に働きかける(賛同の声を上げる)タイミングなどを微に入り細にわたって研究していたという。そのために当時のドイツ国民は暗示に掛けられたようにナチスに、ヒットラーに傾倒していったのではないかという研究も残っている。

TVニュースや新聞、ネットニュースなどの話題の取捨選択にサブリミナル効果を狙ったものも間違いなくあるはずだ。それには少なくとも無意識下に働きかける正のサブリミナル効果と無意識下に注目されることを避ける負のサブリミナル効果があると思っている。なぜここで沖縄県の話題ばかりを集中的にやるのか、なぜここで原発事故の話題と広島・長崎の原爆の話をセットで放送するのかなど、数限りないやり方があるはずだ。

稚拙な例では、NHKで毎年大河ドラマを放送するが、どの番組でも大河ドラマの出演俳優ばかりを使いたがり全く関係のなさそうな歴史や旅番組でもドラマの内容と微妙に関係がありそうで、しかしそれに直接触れないような内容がエッセンスとしてほんのわずかに含まれていたりする。もちろんNHKはそんなことをおくびにも出さない。しかしそういうマスコミの態度を見ていると「一番信用できないのはネットよりも政府やマスコミなのではないか」と常に眉に唾して見てしまうのだ。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください