ダブルチェックをしていますか?

何か問題が起きると再発防止のために「今後は2人で確認するようにします」とか「次からは3回チェックするようにします」などという人がいる。公務員や大企業の集団に多いタイプの再発防止策だ。以前にも書いたがこのテの再発防止策は目的と手段が入れ違ってしまうことが多い。間違いをなくすまたは減らすことが目的であるのに「2人で確認すること」や「3回チェックすること」が目的になってしまい、次に事故が起きた時にも「ちゃんと2人で確認しました」とか「ルール通りに3回チェックしました」などと言い始めるのだ。あらためて言うまでもないことだが、再発防止はチェックすることが目的ではなく間違えないようにすることが目的だ。

このような事案はセクショナリズムによっても起きる。「私はちゃんとやりました」「私の責任ではありません」とは言い訳の最たるものである。自分がいくらちゃんと仕事をしたとしても最終的にダメなものが出荷されてしまえば自分の仕事だって評価されないのだ。自分の工程に関係ないことであっても、自分の前工程にミスがないかどうかをチェックし、自分の後工程がミスをしにくいように工夫することが肝要だ。どこかで誰かが失敗すれば自分だけが上手くこなしても何の意味もない。

ミスを効率よく発見するためには多角的に別の方向から見直してみる方法がいい。一度見逃してしまったものを同じやり方でもう一度チェックしても同じように見落としてしまう可能性が大きいからだ。見直すなら最初のチェックとは違う方向から見なければ意味がない。人は何かを確認するときには同じような視点で物を見ることが多い。誰もが同じような間違いを犯す例は普段の生活の中でも多い。高速道路の逆走やアクセルとブレーキの踏み間違えはそんなミスの一つである。

例えば、ボクは習慣的に「2月4日の月曜日ですね」という言い方をすることが多い。日にちと曜日を一緒に言うのだ。自分は火曜日のつもりなのにカレンダーを読み間違えて2月4日とだけ言ってしまえばもう誰も間違えに気づける機会は失われる。これを「2月4日(火)」と言えば相手は「2月4日は月曜日なんですが4日ですか?5日の火曜日ですか?」と気づくこともある。日にちと曜日は原則的に連動していないので間違えを正すチャンスがあるのだ。

これがある意味での視点を変えたクロスチェックだ。「2月4日」や「火曜日」だけを何度確認しても何人で見直しても間違えに気づくことはない。しかし日にちは1か月間に28日から31日だが曜日は1週間に7つである。カレンダー上ではその異なるパラメータが一致する点は一つに定まる。どちらかを間違えていれば一致する点はなくなって2つの日にちが可能性として浮かび上がってしまうわけだ。すると「2月4日は火曜日ではない」ということが”不整合”として明らかになる。日にちと曜日を組み合わせて違う方向から見ることで意味のあるチェックが可能になる。再発防止策とはそういうことだ。

もちろんこれだけで全ての間違えが見つかるわけではない。しかし単純な間違えを最初に見つけて正しておくことで微妙で複雑な間違えにもっと気を配ることができるのである。多くのことに目を配らなければならない時には気も分散して散漫になる。少しの項目だけに集中できればそれだけ丹念に見極めることもできる。大切なことは「集中力」だ。これはチェック作業だけではなくあらゆることに関係している。車や自転車の運転はもとより歩いているときにも周囲に気を配ることができる。スポーツだって同じことだ。一流選手も集中力が切れた時にはイージーミスを繰り返す。集中するためには見る項目を絞って少なくしておくことが大切なのだ。

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