ニュースはバラエティではない

ニュース番組を見ていても「今、足立区では大きな問題が持ち上がっています。その問題とは?」などと言いながらクイズ番組のように(正解はCMのあとで)とでも言いたげにコマーシャルを流したりする。民放では数少ない情報で時間(尺)を稼いでVTR編集の経費をケチりCMの時間を増やしてスポンサー収入を少しでも増やそうとする意図が見え隠れする手法が何十年も前から横行している。ストップウォッチで測ってみるとニュース番組でもその半分以上はCMである。一つの話題で20分も引っ張るがその内容をギュッと縮めてしまえば30秒もあれば事足りるようなものだったりする。挙げ句にその中身は芸能人のスキャンダルだったりするのだから苦笑いだ。電波の垂れ流しによる無駄遣いとしか言いようがない。

昔のNHKは午後7時になるとアナウンサーが1人出てきて「7時のニュースです」と言った後、ニコリともせず淡々と原稿を読み上げていた。ネタの取捨選択は別にしてそこには寸分のムダもなく、もちろんNHKにはCMもないので30分の間にはぎっちりとニュースが詰め込まれていた。ニュースには正確性、公平性の次に速報性が求められる。しかし最近はNHKのニュース番組でも「それが抱える問題とは何でしょうか?」などというバラエティ番組と間違えそうな演出がたっぷりと盛り込まれるようになってしまった。

「恐怖に訴える」「質問を投げかける」などは聞き手の関心を集めるための手法として広告などでも広く使われている。広告は誰にとっても必要不可欠な内容ではない。基本的には見ても見なくてもいいものだ。だからあえてセンセーショナルに好奇心を喚起するような表現を使う。そうしなければ誰も注目してくれないからだ。しかしニュースは、特にNHKにとっては広告ではない。そもそも世間の出来事などの情報は必要ないと思っている人はニュースなど見ない。見ている人は今起きている比較的重大な事件や問題に関心があるから見ているのである。だからそこにはくだらない演出など要らないのだ。

ニュースの速報性とは短い時間の中に必要な情報をどれだけ盛り込んで伝えられるかということにも繋がっている。ダラダラとどうでもいい演出は見る側にとって時間のムダでしかない。笑いやワクワクは要らないので必要なことを早くキチンと伝えてくれればいいのだ。井戸端会議のような話題は昼間のワイドショーでやれば十分だ。

民放のニュース番組で「正解はCMのあと」的な演出をするのはお金を払っているスポンサーへの配慮があるのだからわからないではない。しかしろくにニュースを流さずにCMばかり流していては誰も見る人はいなくなるだろう。ニュースがあるから仕方なくCMも見ているのでありお笑いが楽しみだからCMを我慢しているのだ。だからボクは民放で面白そうな番組があっても基本的には録画して後から再生して見ることにしている。面白い参考になるようなCMなら再生中でも見るが(ボクは元々CMオタクです)つまらないCMはすべてトバせるからだ。そうするとほとんどの番組は2/3ほどの時間があれば全部を見終わることができる。

4Kや8Kもいいがメディアはコンテンツが命だ。中身がなければ誰も興味を示さないし誰も見ない。いいかげんそのことに気づいてもいいのではないかと思うのだ。

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