机上の空論

あなたは今までに少しでも興味を持って熱中したことはどれくらいありますか?ちょっとでも自分の手足を動かして経験したことという意味です。それはもう数え切れないくらいの事を経験してきたと思います。例えばボクならゴルフ、テニス、バスケットボール、アマチュア無線、合唱、バレーボール、将棋、チェス、囲碁、切手収集、絵画、ハンダ付け、アンテナ設計・製作、ラジオ製作、小型船舶、スキー、自動車ラリー、ダイビング、オートバイ、トランペット、フルート、ギター、ドラムス、三線(沖縄の三味線)、ウインドサーフィン、パラグライダー、鍵の交換、プログラミング、サーバ構築、社内LANネットワーク構築、無線LANネットワーク構築、マーケティング、コールセンター、監査業務、営業、離婚(苦笑)、…。ちょっと思いつくだけでもどんどん出てきます。

テレビを見るとか音楽を聞くなんていう誰でもそこに座っていればいいようなものは除いてです。八方美人ですねぇ。でも全部が全部趣味になったわけではありません。パラグライダーやウインドサーフィンなどはかつてスポーツ用品店に勤めていた頃に社員旅行でレッスンを受けた程度です。でもチャンスがあれば何でも1度はやっておく方がいいと思っています。いや離婚は別として(^^;
逆にあなたが今までやったことがなくて何かこれからやってみたいことはありませんか?

ボクは学生の頃、自動車修理工場でバイトしていたことがあります。古い工場で昭和初期からあったらしいと聞きました。もっとも当時は乗用車などはほとんどなく、2代前の爺さんは主にトラックの修理をしていたそうです。また戦時中には軍で戦車の修理もしたと言っていました。だから工場には古い工具がたくさん転がっていました。

その修理工場で車の修理をしていました。もっともその頃ボクは自動車ラリーに熱中していましたので、タイヤの組み換えやサスペンションなどの自分の車の消耗品の交換を安上がりにするために技術を学んでいたというのが本当のところです。ですから休みの日には工場を借りて自分の車の整備をしていました。
サスペンションの交換などは1本交換するだけで数万円の工賃がかかりますから4本を自分でやれば10万円近くも節約できてガソリン代やタイヤ代に廻せるわけです。タイヤだって1本組み替えれば他所では5,000円でしたから完全に元は取れました。月に2セット8本くらいのタイヤを使っていたましたから。

ところが現実は甘いことだけではありません。ボルトを外せと言われて作業を始めたものの、錆びついたボルトは力を入れてもビクともせず全体重をかけたところ「クニュッ」という嫌な感触とともにあっけなく折れて穴の中に残ってしまうこともありました。そんな時は折れたボルトの中心にドリルで穴を開け、少しずつ穴の中のボルトを取り除かなければならないのです。3秒の作業がちょっとしたミスで半日仕事になったりするのです。これは後になってコツを覚えたのですが、固く締まったサスペンション周りのボルトナットを外すときにはジワーッと力をかけるのではなく一気にガツンと力を入れないと外れないのです。そんなことも実際に自分でやってみて初めてわかったことです。それもこれもその後に鍵交換等でネジを外す際などに役立っています。

車のサスペンションの組み換えなどはその頃からエアコンプレッサーを使ってバネを圧縮して交換していましたが、ボクは工場にあった手回し式のバネ押さえでいつでもどこでもサスペンションを交換できるようになりました。ラリーは山の中で壊れた車を修理しなければいけない場面もあったのでそれなりに役に立ったとは思いますが、競技車に工具を満載して走っていたので車が重くてろくすっぽ成績も出せなかったのは残念の極みです。

話を聞いただけでは大したことないと思えることでもいざ自分でやってみると最初からいきなり想定外のことが起きることがあります。いや何をやっても最後まですんなりとうまくいくことなどほとんどありませんでした。ウインドサーフィンもボードの上に立つことがまず大変なのにそこから水面に張り付いたセールを立ち上げるわけです。それだけで初心者には小一時間も悪戦苦闘しなければいけません。テレビでは丘の上からバッと颯爽と飛び立つパラグライダーだって最初は夏のスキー場のゲレンデを泥だらけになって転びながら駆け下りる練習から始めるわけです。3時間ほども猛特訓を受けてようやくフワッと中に舞い上がったときにはほんの10mほどの高さでしたがそりゃ感動したことを覚えています。音もなく1人で空を飛ぶ感覚はやった人にしかわからないと思います。

「知っている」ことと「実際にやったことがある」では雲泥の差があります。机上ではわからなかった苦労や難題はいくらでも出てくるのです。自動車ラリーでは実にいろいろな経験をしました。山奥の林道の滑りやすい砂利道を走るにはカーブでもハンドルを切るだけでは曲がりません。ブレーキとアクセルとハンドル、クラッチとギヤの操作を組み合わせて車全体の重心を一瞬で移動させる操作をしなければ道を外れて崖の下まで真っ逆さまです。こればかりはいくら本を読んでも話を聞いても身につかないのです。だからボクも何度か崖から落ちたり立木に刺さったりして経験を積みました。やってみなければわからないことはいくらでもあります。

最近ではVR(バーチャル・リアリティ)で疑似体験したことを「体験」と呼ぶ人もいますがそれは疑似体験に過ぎません。実際に手を汚して現実に飛び込んでみることが一番の経験ではないのかなと思う今日このごろです。ゲーム機の端末を振り回してテニスをしても、決して実際のテニスは上手くならないのです。

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