どっちが得か?

比較広告について以前にもこんなタイトルで書いたことがあるが、今日は天下国家について考えてみる(笑)
いきなりだが日本の国の年間予算はおよそ96.7兆円だ。

国債の償還(国の借金の返済)に23兆円、地方への交付金などに15兆円。借金の返済と社会保障費だけで70兆円、予算の73%を超える。
一方で税収による歳入(収入)は57.6兆円、総予算の60%に満たない。残りは借金で賄っているわけだ。

歳出の中でも突出しているのが社会保障費の32兆円である。もちろん社会保障費には年金の支払い、待機児童の問題や老人介護のための支出も含まれているが、医療費だけで年金支払額の11.2兆円を上回って11.5兆円を支出している。

税金による歳入の中でタバコの税収は2016年度で2.1兆円、租税収入の3.6%に過ぎない。
大雑把な数字で申し訳ないが、日本人の半数はガンに罹っている。死ななくともほとんどの患者は医療機関にかかって健康保険を使うことになる。

2016年の厚生労働省のデータによれば死亡原因の1位がガンで約3割、2位が心疾患で15%だ。疾患のすべての原因が喫煙だとはいわないがかなりの相関関係が指摘されている。脳血管疾患まで含めるとこれらの死亡率だけで52%にもなり肺炎を含めると6割を超える。ガンの中でも肺ガンによる死亡率は胃ガンを10%も上回って25%近くである。しかもガン治療には高度医療が多く含まれており一般の健康保険ではカバーされないものの医療費補助などで多くの税金が使われている。

ほんのちょっとのタバコ税を取るためにその何倍もの国費が使われている。昔から「海老で鯛を釣る」と言われ、非常に高価な餌でそれ以下の魚(鯛も高いが)を釣る愚かな行為とされてきた無駄遣いがここでも露呈している。しかし政府は禁煙対策に本腰を入れようとしない。

ボクが子供の頃から禁煙は一般的に推奨されてきた。にもかかわらず若い頃のボクはタバコを吸っていた。ガンになる確率が3倍だの肺が真っ黒になるだのと言われていたが喫煙者にとってそんなことは問題ではない。周りから「ガンになるから止めなよ」と言われても「俺の体をどうしようが俺の勝手だろ」と思っていた。今でも喫煙者のほとんどは本音ではそう思っているはずだ。

禁煙は喫煙者本人の健康問題などに訴えても喫煙者は動かないし政府も動かない。一番効くのはカネだ。平気で税金の無駄遣いをする政治家を一般の国民は許さない。なぜならその税金は自分の財布からむしり取られたものなのだから。税金を払わなくてはいけないことの意義は納税者も概ね理解している。しかしそれを元は他人の金だからとジャブジャブ無駄遣いすることには我慢ができない。だからそんなことが国民に知られてしまえば選挙でも勝てないし国会議員の立場も失う。

今こそ国民は国会議員や政府に税金の無駄遣い(医療費)を減らすことを訴えなくてはいけない。少子高齢化や女性の社会進出、待機児童問題や介護問題を全く解決しないどころか無駄に医療費を使いまくっている喫煙問題にこそ政治は手をつけなければいけないのだ。

それでも自民党や政府が動かないというなら政治家の怠慢である。選挙で思い知らせるだけのことだ。私たちに与えられている唯一の政治参加手段は選挙だけだ。1つの政治勢力に絶対多数を持たせてはいけない。暴走する国家を誰も止められなくなる。それは先般終わった国会審議や強行採決を見ても明らかだ。

たばこを全面的に禁止することでガンや心臓疾患などによる医療費支出がたばこの税収以上に減ることは明らかなのに、政府や国会議員はそれをやらない。彼らが動く時には必ず裏に利権がある。シュリンクしているタバコ産業のどこにそんなに大きな利権があるのだろうか。
いや全体としての利権はそう大きくなくてもいい。タバコ擁護の議員センセーたちの保身と自分たちが潤うだけの利権さえあれば奴らは必死でそれを守ろうとする。

野党の国会議員は無能なのでそれを暴くことさえできない。かつて民主党が政権を取った時にも「無駄を削ってみせる」と息巻いたがその無駄はほとんどが政府と自民党に隠蔽されてこれといった成果もなく失敗に終わり、原発事故問題や沖縄米軍基地を巡る失策で瓦解してしまった。

政治家はタバコ農家の保護を訴えてくるに違いない。タバコ農家の切り捨ては許されないという大義名分を掲げるだろう。しかし麻薬取締法がなかった頃のかつての日本の芥子(ケシ)農家はどうだろう。もちろん今では国内で芥子を栽培することは禁止されている。芥子農家は全て他の道へ進んだわけだ。タバコ農家も他の道を探せばいいだけだ。そのために政府が補助金を出したとしてもそれは社会保障費に比べれば取るに足らない額だ。

今までだって環境の変化や需要の減少などで作られなくなった作物などいくらでもある。
もっとも人間に健康被害を与える作物を作ることにこだわることが農家の未来を豊かにするとは思えないのだ。