新規の集客に悩んでいませんか?(4)

さて先週は「人は自分に向けられたメッセージ以外は見ないし聞くこともしない」というお話でした。
ではある性格を持った人を想定して呼びかけた時には、何をメッセージとして送ればいいのでしょうか? 持っている強みや技術でどんなことがどのように実現できるのかをイメージしてもらう」というお話はしましたが今一つ漠然としていますね。今週はこの辺りを細かくお話ししたいと思います。

身の回りの広告を眺めてみてください。そこには主に何が書いてありますか? たぶん売りたい商品の長所がずらっと並べられていると思います。

・乳酸菌500億個!腸内環境を整えます
・大容量4Gバイトメモリー搭載で快適に検索!
・電気自動車で驚異の航続距離280km達成!
・運転支援システム・アイサイト搭載!
・サイクロン式で強力な吸引力が長持ち!

たぶんこんな広告がいっぱい目に留まるはずです。これは、いわゆる”スペック”ですね。こんなにすごい機能や高性能の部品を使っているから凄いんです、という自慢でしょう(笑) まぁそれはそれでもいいでしょう、何もしないよりかは…
でもこの広告を見た人は何を感じるのでしょうか?
乳酸菌が500億個入っていると自分はどう変われるのでしょうか?そしてその結果、どんな自分が待っているのでしょうか? 最近は情報化社会で誰もがスマホなどで細かいスペックを調べて比較できたりするので、こういったスペック重視の広告が非常に多く流れてきます。でも見込み客は決して”サイクロン式の掃除機”が欲しいわけではないんです。家の中をキレイにして病気になるのを防いだり気分よく過ごしたりしたいんです。そのための”手段”として掃除機を買おうとしているわけです。
乳酸菌を500億個飲みたいわけではありません。便秘や下痢をしがちで吹き出物もたくさんある。そんな自分の身体を健康にして辛い思いをしないで済むようになりたいんです。そのための”手段”としての乳酸菌500億個なんですね。
目的と手段の履き違え、よく聞く話です。

それでは自慢話にならないで、見込み客に素晴らしく変わっている素敵な自分を見てもらうにはどうしたらいいのでしょう? 私たちセールスライターはこれをスペックとは区別して「ベネフィット(利益)」なんて呼んでいます。もちろんベネフィットは商品の長所(スペック)から導き出すわけですが、それを見つけるにはちょっと手間がかかります。例えば「運転支援システム・アイサイト搭載!」というスペックは何を意味しているのでしょうか。
アイサイトとは簡単に言えばスバルの自動車に搭載されている自動ブレーキシステムです。
ここからがベネフィットを生きだすための作業です。

Q:自動ブレーキシステムがあると何がいいの?
A:運転中にボケっとしていても前に車に追突しなくなります。
Q:それがなぜ重要なの?
A:事故が減るからです。
Q:事故が減ると私にとって何がいいの?
A:あなたがアイサイトの搭載されたスバルの車を買えばあなたも追突事故を起こさなくなります。
Q:なぜ追突事故を起こさないことが重要なの?(アタリマエですけど、それは置いておいて)
A:事故を起こさなければ揉め事も起こさないで済むしケガもしないしお金もかからないからです。
Q:なぜそれが大切なの?
A:そういったことがなければあなたは平和で気持ちよく過ごせるからです。

つまりあなたにとってどんないいことが起こるのかを具体的に説明するんですね。そうすると「アイサイトはあなたに平和で快適な生活をもたらします」ということになるわけです。これがこのスペックをイメージ化した結果です。これを他のスペックでも次々に繰り返し行なっていきます。そうするとベネフィットもたくさん集まってきますよね。
もちろん違うスペックが同じベネフィットになることもありますし、別のベネフィットになることもあります。最終的にこれらのベネフィットの中から1つを選んで物語を書いていくわけです。アップルコンピュータなんかはこういうのが得意ですね。「今までになかった夢のような体験」なんて言い放つわけです。iPhone7を買えばあなたは「今までになかった夢のような体験」ができると言うわけです。まぁあまり具体的ではありませんけどね。最近のiPhoneについて言えば、防水なんて国産のスマホでは随分前に実現してたし、おサイフケータイはもっと使いやすくて便利なものが日本のスマホには搭載されていますから”いまさら何言っちゃってんの?”という感じですけどね(笑)
実はiPhoneが客観的に見て弱ってきているのはこの辺だと思っています。根拠となるスペックと広告で打ち出しているイメージの整合性が取れなくなってきているんです。ベネフィットとイメージの整合性が取れていないと、どんなにスマートにイメージを語っても眉唾に聞こえちゃうんですね。つまりアップルがこの先「夢のような体験」を見込み客もたらせるようなスペックをiPhone搭載できるかがこの先の勝負でしょう。

ただ今のアップルにはどんなにダメな製品を出しても許してくれる根強いファン(笑)がいますから、今すぐに衰退してしまうこともないとは思いますが…。この辺りはまた別の機会にお話ししたいと思います。