ルールは決めても周知しなきゃ意味がない

皆さんは障害者のためのサインや身に付けるマークについてご存知のものはどれくらいあるでしょうか。車イスマークは駐車場や駅・電車内、公共施設などでよく目にするのでほとんどの方がご存知だと思いますが、それ以外はご存じないものも多いでしょう。
ボクもほとんど知らなかったので分かる範囲で調べてみました。

・障害者のための国際シンボルマーク
障害者が利用できる建物、施設であることを表すマーク
障害者が利用できる建物、施設であることを表すマーク

・身体障害者マーク
肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマーク
肢体不自由であることを理由に
免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマーク

・聴覚障害者マーク
聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマーク
聴覚障害であることを理由に
免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマーク

・盲人のための国際シンボルマーク
視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などであることを表すマーク
視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などであることを表すマーク

・耳マーク
聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマーク
聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマーク

・ハート・プラス マーク
身体内部(心臓、呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害がある人を表すマーク
身体内部(心臓、呼吸機能、じん臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害がある人を表すマーク

・ほじょ犬マーク
身体障害者補助犬法の啓発のためのマーク 「身体障害者補助犬法」では公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設では、身体障害のある人が身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務がある。 補助犬を同伴することのみをもってサービスの提供を拒むことはできない。
「身体障害者補助犬法」の啓発のためのマーク
「身体障害者補助犬法」では公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設では、身体障害のある人が身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務がある。 補助犬を同伴することのみをもってサービスの提供を拒むことはできない。

・オストメイトマーク
人工肛門・人工膀胱を造設している人(オストメイト)のための設備があることを表すマーク
人工肛門・人工膀胱を造設している人(オストメイト)のための設備があることを表すマーク

・白杖SOSシグナル
白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマーク
白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマーク

・ヘルプマーク
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマーク
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など外見から分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマーク

まだ他にもあると思いますが主なものをいくつか挙げてみました。どれくらいわかりましたか。お恥ずかしながらボクは細かい意味まで理解していたのは3つほどです。

以前にJR東京駅の南通路で「八重洲口はどっちですかぁ~」と声を上げられている白状を持った男の方に出会ったことがあります。夕方のラッシュ時でしたので周りにはものすごい数の人が行き交っていたのですが誰もそれに応えようとしません。ボクはその人のところに行って「八重洲口に行きたいのならご案内しますよ」と言うと「点字ブロックのところを教えていただければ大丈夫です」と答えました。ボクが腕を掴ませて点字ブロックの近くまで連れて行くと「「ありがとうございます。ここまで来れば大丈夫です」と話したので八重洲口の方向を手で教えて別れました。その方は弱視のようでした。

実際に街の中で障害者の方に出会って助けを求められることはそんなに多くないかも知れません。彼ら彼女らも普段の日常生活の中で慣れていることなら自分で解決できるからです。テレビなどのマスコミでは「障害者を見かけたら手助けをしましょう」というようなキャンペーンをやっていますが、すべての障害者が常に困っているわけではありません。だから彼らがあえて声を上げている時は”本当に困っている時”なのです。そんな時くらいいわゆる健常者たる我々が彼らに手を貸すことにどんな不都合があるのだろうと思ったものです。

お役所も障害者対策に力を入れているという割に障害者マークを周知するポスター一枚駅で見かけたことがありません。JRやその他の鉄道、バス会社だってそのような依頼が行政などからあれば断らないと思うのですがどうなんでしょうか。恐らくは周知させるような努力をまったくやっていないのではないかと思うのです。

日本人は概して他人に対して親切ですが自分から声を掛けることが苦手です。「余計なお世話だと思われるんじゃないか」と思っている人も多いでしょう。でも障害者の方から「ちょっと手伝ってもらえませんか」と声を掛けられれば断る人は少ないと思うんです。
あの時の東京駅では「(誰かに向けて)お願い」していたので(目が悪いのだから仕方のないことですが)周囲の人も自分ではない”他の誰か”がやってくれると期待していたのではないかと思いたいのです。

年金や助成金・補助金の受給でもそうですが、お役所から積極的に言ってくるのは税金の納付くらいで基本的には市民の側から言わないと何もしない体質です。新しいルールや制度を作れば何もしなくても人民には周知されると思っています。しかし我々はそんな細かな制度のことを何から何まで知っているわけではありません。しかもこちらから”お願い”しなければ教えてもらうこともできないのです。

ボクは以前に企業の監査室に勤務していたことがあります。監査室は、社員がルールを守っているかどうかを点検して上層部に報告するのですが、実際に現場に行って点検を始めると現場の誰もが「そんなルールは知らない」と言うのです。人事部や総務部、情報セキュリティ部門が定めたルールが社内にまったく周知されておらず知られていないのです。これではルールを守ろうにも守りようがありません。

最近は自転車の事故が問題になっていますが、法律上「自転車は車両」だということを知っている人は半分もいないのではないでしょうか。ほとんどの人は自転車は歩行者だと思っているはずです。だからある人は”自転車は車”だと思い別のある人は”自転車は歩行者”だと思っています。これでは事故が起こらないわけがありません。交差点の中でも走っている自転車が急に”歩行者から車に変身”したりしています。
このことは警察署が市民に周知することを怠けている結果にほかなりません。事故を減らそうと本気で思うならそうしたことからコツコツと始めなければいけないのです。

ルールを決めても「みんながやってくれない」と不満を漏らす人をあちこちで見かけますが、まずはそのルールがみんなに知られているのかを調べることがまず一番に大切なことなのです。