クイズはお好き?

テレビのクイズ番組は割と人気がある。いや以前はあったが最近はどうなんだろう。
クイズ番組を見ているとみんな先を争って答えを出そうとする。それで正解していれば得意になり不正解なら「これは問題の出し方が悪い」などとケチをつけたりする。それでもみんな楽しんでいるように見える。
これはクイズ番組の出演者が不正解だった時には自分のほうが優れていることが証明されて気分が良くなり、出演者が正解を出したときにも「自分はこの人達に負けてはいない」と胸を張れるからだ。
一方でなかなか正解を出せない人はクイズ番組が好きではない。そりゃそうだろう、自分が劣っているところを見せつけられて喜ぶ人はいない。

クイズで正解できるかどうかは専門的な知識とは全く関係ない。いわゆる”雑学”だ。知っていてもいなくても人生にあまり影響を及ぼすことはないと思われるどうでもいい知識だ。しかしそれを持っているかどうかで「あの人は頭がいい」と言われるかどうかが決まる。自然科学の大統一理論を完成させるよりも小説を書いて芥川賞を取るよりも遥かに簡単だが人々からは尊敬されることには変わりない。

最近では公共放送の情報番組でも「〇〇○は凄い!」などとフリップを伏せ字にして答えを明かす時にシールを剥がすような演出をするようになった。ミニクイズである。情報番組なら情報を伝えることが第一義なのだからさっさと情報を知れせたほうがいいに決まっている。なのに勿体つけてなかなか見せようとしないのは民放のやり方だ。もったいぶってなかなか答えを言わない時には「正解はCMのあとで」となって番組を見ている人にCMの視聴を強要する。
もっとも民放はCMを流すことで収入を得ているのから事情はわからないではない。しかしNHKはどうなのだ?

はっきり言って時間のムダだ。知識の定着にしても設問との関連性が濃いほど定着率は高い。設問と答えの間に無意味な時間を挟むことでその情報の価値を下げているのだ。必要な情報は早く出して長く表示しておくべきだ。番組制作者は”視聴率を稼ぎたい”がためにやっているのだろうがこのことが視聴率を伸ばすことに貢献している根拠はない。そもそも視聴率の罠に流されずに番組を作れるところがNHKの強みであったはずだ。

”考えさせることで成長を促す”という話はよく聞く。たしかにただ聞いているよりも自分の頭で考えて答えをだすことは思考回路に強く作用して理解が深まると思う。しかしそれは成長過程の子供には有効だろうが大人には関係ない。その間に忘れてしまうのがオチだ。そしてヘタな考えを正解のように思い込み間違った知識だけが定着する。
大人の勘違いは大体がこのあたりに原因がある。

答えを隠すのはクイズのときだけでいい。CMを流さない公共放送ならなおさらだ。最近、民放のバラエティ番組ではお笑い芸人が時々「尺が足りない」という発言をしている。「放送するには時間が短い」という意味だと思うが、放送時間が余るというなら別の情報を流せばいいのだ。一つの情報にダラダラと時間を掛けて薄めた番組など見ているだけで時間の無駄である。
ただでさえテレビ人口が激減しているこの時期なのだからテレビ番組はもっと効率化を考える時期なのではないだろうか。