人はなぜ「買おう」と思うのか?

今回はセールスと人間の心理の関係をお話してみようと思います。
とりすはセールスコピーの仕事をしているので社会心理学の本を読むことがよくあります。
社会心理学は人間の行動様式を実験を通して証明していく学問ですが、
その中でよく言われるのは「人は時々無意識のうちに訳の分からない行動をするものだ」というものです。
習性みたいなものですね。

たとえば、誰かに何かを施してもらったら恩義を感じてお返しをしなければいけないと感じてしまう、というようなこともその一つです。
これらは主に6つあって

 1.返報性(何かをしてもらうと恩義を感じてしまう)
 2.コミットメントと一貫性(自分が一度口に出したことは守ろうとする)
 3.社会的証明(多くの他人や権威が認めたものを信じようとする)
 4.好意(他人に好意を見せられると相手に従ってしまう)
 5.権威(権威があるものには疑うことなく盲従してしまう)
 6.希少性(少ししかないものは無意識に欲しくなる)

といわれています。デパ地下やスーパーの試食コーナーなども「返報性」を利用したうまい販売方法です。
「普通の味だなぁ」と思ってもちょっと貰って食べちゃったから買ってあげようか、みたいな感覚です。
これらの習性を使った方法はデパートやスーパー以外でもセールステクニックとして利用されることが多いので、
普段の生活の中でも意識してみると面白いと思います。

セールスは中々奥が深いものですが、人は何かを売ろうとする時にはすぐに「どうしたら売れるんだろう?」と考えてしまいがちです。
しかし買うのは、いや買う判断をするのはあくまでもお客さまですから、
お客さまが「買おう!」と思わなければ売れないんですね(アタリマエですけど)。
つまり「どうしたら売れるか」ではなくて「どうしたら欲しいと思ってもらえるか」を考えなくてはいけないんですね。

あなたが何かを欲しいと思うのはどんな時ですか?
新しいiPhone? LEXUS? 春物のジャケットやワンピース? それとも夏の沖縄旅行?
スマホやパソコン、自動車のように比較的成熟して商品化(コモディティ化)されたモノは、
スペックを見ただけで欲しくなるものもありますね。

一方でジャケットやワンピース、旅行のようにスペックで比較しにくいものはどうでしょう?
サイズや素材を見て、旅行の日程や行き先、料金だけを見てすごく欲しくなったり
急に旅行に行きたくなったりすることは少ないと思うんです。

新しいジャケットを着て彼女と並んで青山通りを歩く自分の颯爽とした姿。
マリオットホテルのcafeでスイーツブッフェを楽しむ友達と私。
「そのワンピース、春らしくて可愛いね」という友達からの羨望の視線。
そんなイメージが脳裏に浮かんだ時に「欲しいっ!」と思ってしまうのではないですか?

人は感情の動物って言われていますからね。何かを買ったりやるときにも、
まず「感情」で行動してあとから「理屈」で説明すると言われます。
つまりセールスの本質はイメージで「感情」を刺激してハートに「欲しい」と感じさせることなんですね。