ケータイを手放せない人

先日、駅のトイレの個室から電話で話す声が聞こえてきた。今どこで何をしているのかと尋ねられているらしい。さすがに駅のトイレの個室で用を足しているのだとは言い辛いらしく言葉を濁しながら「これから得意先に打ち合わせに行くところ」だと説明している。どうやら本社で緊急事態が起こったらしく「すぐに帰ってこい」と言われているようだった。
ボクはトイレを出てしまったのでその人の顔も、その後どうなったのかも知らない。
あの人はいつもああして”緊急”の電話に振り回されているんだろうか。

常にケータイがないと仕事ができないという人がいる。片時も携帯電話やケータイを手放さない。常にケータイを手に何かに怯えているような姿は、宣告を待っている死刑囚のようでもある。彼らは何を待っているのだろう。

ケータイを手放せない人。それは常に指示を受けている人か、常に指示を出し続けている人だ。怯えるようにケータイを気にしている人は恐らく前者だろう。いや指示を受けてから瞬時にその指示を誰かに伝える役なのかもしれない。いずれにしても、どちらも計画性がなくスケジュールが立てられない人だ。

朝、会社を出て外回りの営業や得意先との打ち合わせに行く。資料は既にプリントアウトしてカバンの中に入っているかパソコンから取り出せるようになっている。やることは最初から決まっている。商談を成立させてプロジェクトを進めることだ。そこに緊急事態が起こる要素はない。いや、プロジェクトが急に中止になったのならそれは緊急事態だが。1日の行動計画が立てられなければ明日のことなどもっとわからない。場当たり的にウロウロと動き回るだけだ。

常に指示を出し続ける人も同じである。先を考えないで場当たり的に指示を出すから朝令暮改になる。ボクはそんな人を信頼しないし、ついて行こうとも思わない。恐らくあなただってそうだろう。
指示を出す前に一歩先を、いや全体のストーリーを考えているだろうか。自分に対する戒めでもある。