ロシアが突然ウクライナを侵略し始めてからもう3週間になります。プーチンの言い分では「ウクライナがNATOに加盟したらロシアの安全保障が脅かされるから」「ロシアはウクライナの民間施設など攻撃していない」「破壊しているのはウクライナの自作自演だ」などと言っていますが、少なくとも日本を含めた西側の欧米諸国ではまったく信用されていません。ほぼすべてがプーチンによるプロパガンダだと信じられています。まったくのウソっぱちかどうかはわかりませんが、西側で報道されている内容を見ると少なくとも9割以上が合理性のない戯言だと思わざるをえません。
かつてボクがまだ20代だった頃、今のロシアは「ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)と呼ばれ、ソビエト共産党の一党支配による共産主義の独裁国家でした。当時は信用できるソ連の情報などほとんど伝えられることもなく、KGB(ソ連の秘密警察)などによる情報統制が厳しく、「鉄のカーテン」などと言われてソ連の国内のことはほとんど知られていませんでした。それは今のロシアの状況とも繋がるものがあります。国内の反乱を押さえようと思えば国民の情報統制を厳しくすることが大切で、それは今の北朝鮮や中国にも共通しています。内部の統制が取れなくなれば国家転覆を企むクーデターや革命が起きかねないからです。
そもそもプーチンは元ソ連のKGBの諜報員の出身で、ロシアの大統領になってからもチェチェンやグルジア(現ジョージア)、ウクライナのクリミアで戦争を起こしており、今回のウクライナ侵略もその延長線上ではないかと言われています。しかしそれだけでまったく落とし所の見えない戦争へと入り込んでしまうものでしょうか?
今は中国やインド、北朝鮮などを除いた欧米諸国は経済制裁やロシアとの貿易の制限などで”制裁”を加えています。今のウクライナに対する非人道的な行動を見ればやむを得ない措置でしょう。プーチンはそれでも戦争を止める気はないようです。その先にはウクライナの完全制圧を見据えているのかもしれませんが、仮に結果としてそうなってしまったとしても、現在制裁に参加している欧米諸国の多くは今後国際的にロシアとの交易を元に戻すことはないでしょう。なぜなら国際法を理不尽に踏み躙って一方的に他国を蹂躙する国などとは安心してビジネスが続けられるはずがないからです。そういう意味では西側諸国の信用は完全に失ったと言わざるを得ません。仮に一時的にウクライナから軍を引き上げたとしても再び蹂躙しないという保証はありません。
以前にも書きましたが、国によって民族によって物事の価値観はまったく違っていることがあります。力があるなら暴力で相手を倒せばいいと思っている国もあるでしょう。具体的に言えばアメリカや中国、北朝鮮などはその部類です。ソ連もその仲間でした。それが証拠にかつて日本には原子爆弾を落として降伏させました。ただ戦前の日本やドイツ、イタリアもその仲間だったはずです。第二次大戦で力と力がぶつかり合って多くの悲劇が生まれてしまったことを忘れることはできません。戦後もアメリカとソ連を中心とした核武装はとどまるところを知らず、世界中に数万発の核弾頭を保有しています。おそらくこれらの核兵器を使って本気で戦争をしたら世界は滅びるでしょう。それでもプーチンは「我々は世界有数の核保有国だということを忘れるな」と脅しをかけてきました。もう後先を考えられなくなった精神異常者です。
プーチンはまだ世界の大国だった頃のソ連に栄光が忘れられずに、再びソ連時代に逆戻りしたいのかもしれません。The Beatlesの歌ではないがまさに子供のように、”Back in the USSR(「ソ連に戻ったぜ!」”(Union of Soviet Sociakist Republics)と言いたいのでしょう。
私たちにできることは一刻も早く精神異常のプーチンを取り除いて戦争をやめさせ、プーチンに土下座をさせることくらいしかありませんが、そのためにできることは何かといえば、やはり最終的には暴力には暴力で、ということになってしまうのかもしれません。今はそうならないように祈ることしかできない自分の無力さを痛感しています。人類の歴史は結局は暴力の応酬になってしまうのでしょうか?
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