過渡期

テクノロジー

コロナになって急激に増えたリモート会議。もちろん以前、勤めていた頃から「テレビ会議」というのはあったが、これは東京と大阪の支店の会議室同士を繋いでグループ同士のミーティングだった。回線も専用線を使っていたので「自宅から個人で参加」というわけにはいかなかった。

そもそもリモートワークという風習がなく、「会社に出社してナンボ」という社風だったので、オフィスで仕事なんかしていなくても出社してさえいればそれなりの評価がもらえる仕組みだった。逆に自宅で休みの日にどれだけ立派な提案書を作ってこようが、オフィスで作ったものでなければ何も評価されないというどっぷりと昭和な会社だった。

それがコロナになって今はどうなっているのか知る由もないが、少なくともボクの周りは半分以上がリモートになった。リモートのいいところはとにかく「移動時間がかからない」ことだ。30分の会議のために往復3時間もかけてオフィスまで出向くなんて今となっては狂気の沙汰である。しかしそれでも「会議は直接会って話さないと…」という人はまだまだ多い。

半分が「リモート会議がいい」と言い、残りの半分が「会議室に集まりたい」と言い出すとちょっと厄介なことになる。ネット越しに個人で参加している人だけなら問題はないのだが、会議室に集まった人にネットで参加している人の声を聞かせたり(これはまだ簡単)、会議室内の発言をネットで参加している人に聞かせたりしなければいけない。

すると「会議室に集まりたい」と言ったくせに「リモートの声が聞こえにくい」と言って会議室にパソコンを持ち込んでリモート会議にも参加しようとする。しかし会議室内でヘッドセットを使ってしまうと、リアルで参加している人の声が聞こえなくなってしまうので自分のパソコンのスピーカーとマイクを使おうとするものだから、会議室内がハウリングで酷いことになる。

どうしたもんだかと悩んだ末に、去年の4月以降、広角カメラを使ったりスピーカーマイクを置いたりしながらだんだん環境を作るのにも慣れてきた。そんなやり方をリアルとオンラインの”ハイブリッド”と呼んでいるのだが、今度は会議室のネット環境が悪くて回線が落ちてしまうというトラブルが起こるようになった。

参加者の一人が落ちるくらいなら他の参加者が先に発言して回線が復活するのを待てばいいのだが、参加者の半数が参加している会議室が落ちてしまうと会議にならない。仕方がないので自分のスマホのデザリング機能を使ってパソコンをネットに繋いでリモート会議を続けたりしている。

どうせならどちらかに統一して欲しいところなのだが、リアルが大好きな人たちにはそんな事情を説明しても一向に通じない。世の中は常に過渡期の連続だから諦めてはいるが、テクノロジーも世代もスパッと切り替わってくれればこんなにスマートなことはないのになぁなどと思ったりしている。

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