一時はとても有名で人気があってほとんどの人がその名を知っていたようなものでも、いつの間にか姿を消しているものがあります。例えばアイドル歌手。最近ではAKB48。姿を消したわけではないのでしょうがひと頃のマスコミの熱狂ぶりに比べればテレビやネットでの露出も激減しました。ボク自身はAKBに(他の芸能人にも)あまり興味がないので派生グループや所属メンバーなどはほとんど知りませんが(それでも高橋みなみや前田敦子の名前は聞いたことがある)一時は普通の生活をしていればAKBと無関係ではいられませんでした。
それは過去に一世を風靡した芸能人や有名人でも同じことです。山本リンダや山口百恵、キャンディーズやピンクレディだって当時の子供たちなら全員知っていたに違いありません。それがやがてテレビ画面から消え(まだインターネットはなかった)ラジオから消えレコード店の店先でも目にしなくなり、人々の記憶からも薄れていくのです。
もちろんごく一部の熱狂的なファンは何十年も”追っかけ”続けているのでしょうがそれはマイノリティです。今でも北島三郎や八代亜紀、五木ひろしを追い続ける人はいるのでしょうが、普通の生活を送っている人にとっては芸能週刊誌やテレビのワイドショー番組の「あの人は今?」コーナーで目にすることがあるかもしれない程度だと思います。逆に程度の差こそあれそれほどに多くの有名人がマスメディアに登場していたのです。中には「あの人は今?」に取り上げられているのに「この人って誰?」と思う人も少なくありません。特に若い人たちにとっては、自分が生まれる前に一世を風靡していた人など当然知る由もありません。
それでもその時には「一発屋」と呼ばれていたとしても数十年経ってまだ覚えている人がいるのなら”それなりに”有名になって仮に一部の人であっても記憶されていたのですから素晴らしいことだと思います。世の中には何の分野であっても一発もヒットしない人生を送っている人がほとんどなのですから。
もちろん誰もがヒットを飛ばそうと思って生きているわけではありません。目立たず人知れず地味な人生を送りたいと思う人もたくさんいるでしょう。でもそれがサラリーマンや個人商店であっても、職場で人の役に立ったり会社に貢献したり少しでも売上を伸ばそうと努力して成し遂げることも一つのヒットだと思うのです。そういう意味では誰の心にも残らなかったとしても”自分にとっては大ヒット”だと思えることだってあったはずです。それは他の誰かにとっては自然消滅してしまうような取るに足らないことであっても、自分の人生の中では自分が主人公になれたかけがえのない瞬間だったに違いないのです
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