聖子ちゃんが青春だったころ

ファッション

ボクらの世代にとって松田聖子は、いや聖子ちゃんは青春の思い出そのものだ。中学生の頃はキャンディーズが流行っていたから聖子ちゃんは高校生の頃だと思う。当時、女の子のほとんどはいわゆる「聖子ちゃんカット」と呼ばれた髪型をしていたし、男子はあの「ぶりっ子」な笑顔に骨抜きにされていた。

学校の文化祭では”聖子ちゃんバンド”を組んで演奏したし、ブラスバンドの定期演奏会では他校がバカにする中で「聖子ちゃんメドレー」をアレンジして大真面目に演奏した。それを見た他校の生徒からは「なんでうち学校のブラバンは聖子ちゃんをやらないんだ!」とブーイングを受けたと聞く。それほどまでに聖子ちゃんはボクらのアイドルだった。もちろん中森明菜や松本伊代や郁恵ちゃんがダメだったわけではない。それは聖子ちゃんと同時期にデビューしてしまったことを恨むしかない。

あの頃はベストテン番組もたくさんあった。スタジオにいる黒柳徹子さんが横浜アリーナにいる桑田佳祐に向かって「くわたさ〜ん」などと呼びかけるシーンが何度となく放送されていた。そしてなんの順位なのかは判然としないが”デジタルで”得点が表示されて順位がつけられていった。

オリコンなどではCDの売上やネットでのダウンロード数などからヒットチャートのランキングを算出しているというが、テレビの視聴率調査と一緒でそのからくりは公開されていない。ボク的には、テレビCMなどでは巨額のカネが動くのだから、政治家とは言わないが何らかの圧力がかかっていたとしても不思議ではないと思っている。

それにしても人はなぜ順位をつけたがるのだろう。例えば、自分の好きなアイドルが1位になると嬉しいのだろうか。1位になることで自分にとってどんないいことがあるのだろう。アイドル本人にとってはもっと仕事が増えてレコード会社や芸能事務所が儲かるのだろうが、おそらく自分の実入りがそんなに増えるわけではなさそうな気がする。

それにアイドルの好き嫌いなど人それぞれだ。他の人が同じアイドルを応援したところで自分とは関係ない。ヒットチャートの順位が低くなったからといって自分は今応援しているアイドルを嫌いになるだろうか。いや、ならない。

何れにしても聖子ちゃんは僕らの青春の上を駆け抜けていった。だからあの頃の曲を聴くと当時の思い出が蘇ってくる。流行歌の記憶は長い年月が経っても日記帳以上に(日記は続いた試しがないが)甘酸っぱい感覚と共に鮮やかに思い出される。もし流行歌がなかったら、今の人生はもっと色あせたものになっていたかもしれない。

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