テレビを見ていたら元(?)女子アナという人が急に白髪になってメディアに出始めたと話題になっていた。その人はまだ50歳くらいらしいが若い頃から白髪が多く、長い間白髪染めを欠かしたことがなかったのだという。要するに「白髪を染めるのをやめました」というだけのことなのだがそのことに(一部の?)世間は大騒ぎしているのだという。曰くグレイヘア。
日本人は グレイヘアだ、禿だといってはすぐに群れたがる。特にコンプレックスのあるものだとテキメンだ。コンプレックスを「みんなで渉れば怖くない」とばかりに見ないフリしようとしているようにしか見えない。そもそも白髪や禿などにコンプレックスがあるというのも笑えるが男性の発毛促進剤は常に売れ行きが好調だという。しかし禿や白髪は個人差はあるものの人間の加齢による経年変化による要素も大きいのだからコンプレックスを感じるようなものでもないと思う。それでも他人と違うと嫌だというのは日本人の大きな特性だ。
もっとも禿も白髪も多くの人が同じ状態になっている。ことさら自分だけが特殊でマイノリティというわけではない。それなのにそれが嫌だというのはどういう心理なのだろう。
話は戻るが「白髪染めをやめる」ということがなぜそんなにも大騒ぎされるのだろう。多くの人が「白髪を隠すことは当然」と思って染めている。しかし自分が白髪であることで誰に迷惑が掛かるものでもない。だから染めることをやめるのは100%自分の意志の問題だ。
それなのに1人で何かを始めることになぜそんなに臆病になるのだろう。しかしひとたび誰かが始めると今度は「我も我も」とその周りにはすぐに烏合の衆が集まり始める。ファースト・ペンギンだ。当たり前のことでも誰もやっていないことには臆病になるが、誰かが始めたとたんに後に続く者は急に増殖する。
それが最近の”ブーム”の作り方だ。誰もやっていないがごく普通のことを”堂々と”やって見せることで「こういう生き方もアリなんです」というようなイノベーションに見せかける。しかしそれは既に誰もが知っていることを単に世間の常識に逆らってやっているに過ぎない。そんなブームはすぐに飽きられて終わる。
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