うちの弟はもう50歳なのだが今度結婚することになった。お相手の彼女と話す機会があったのでお互いの身辺の状況を色々話していたら、ボクの高校時代の後輩の実家と彼女の家がすぐ近くだということがわかった。20代の頃にはその後輩の家に度々集まってみんなでどんちゃん騒ぎをしていた。後輩の家はある会社の保養所の管理人をしていたので、誰もお客さんがいない日には貸切の旅館のように使えたわけだ。
その後輩の家にはマユミちゃんという妹がいたのだが我々がしょっ中集まって騒いでいたので自然と顔見知りになった。その妹さんと今回の弟の奥さんになる人が小学校の同級生だというのである。もう30年も昔のことだがあの頃の思い出が急に蘇ってきた。
さらに面白いことにその妹さんはボクの友人の奥さんになっていたのである。世間とは狭いものだ。もっともボクたちが生まれ育った地域の周辺でのことではあるがそれにしても小さな村の話ではない。人口40万人を超える人が住んでいる地域での話である。
そしてうちの母親が入院していた病院の事務局長は後輩の同期生らしい。かつてお昼の長寿番組の中でタモリさんが「友だちの友だちはみな友達だ!」と言っていたがまさにそれを地でいくような出来事である。
地元を離れてから四半世紀。その間にこのようなことはほとんどなかったのに今になって急に縁が絡み合うようになっている。同窓会などで地元の友人達に会うと彼らは今でも割と近しい関係のまま友達づきあいをしていることに驚いたりしていた。小学校や中学校の同級生がやっている和菓子屋や八百屋に買い物に行ったりしているのだという。家の近所でお店をやっていたりすればそんな付き合いも残るのだろう。
ボクの場合、学生時代に仲の良かった友人が近くに住んでいるということはなく偶然に会うことがあれば例外なく30年40年ぶりである。そんな長い時間が経てばお互いに容姿も変化しているし社会的な立場や人の性格だって予想もつかないほど変わっている。今の時代と違って携帯電話もメールもなかった時代なのでわかっているのは実家の住所と電話番号くらいだ。本人が実家を出ていれば連絡を取ることも難しい。
そんな中でひょんなキッカケで再び音信を耳にするのは急に子供の頃に戻ったようで懐かしい気分になるのである。
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