物理ってなんの役に立つの?

教育

中高生の頃、学校の理科や物理の時間に「ニュートンの運動の法則」なんていうのを勉強させられたことを覚えている人もいるでしょう。「作用反作用の法則」や「エネルギー保存の法則」、摩擦係数、重力加速度、テコの原理、滑車などなど…。数学の2次方程式や連立方程式と同じように「そんなもの覚えて将来なんの役に立つの?」なんて思った人も多かったはずです。

でもこれらの事柄は日常生活の中で、もっとも身近にあって生活に密着していて誰もが”常識”だと思っていることも多いものです。でもあの頃、クラスの中で聞かれたのは、「先生!こんな勉強してなんの役に立つんですか?」という声でした。でも考えてみてください。何かを手で掴もうとした時に、ボクたちは経験的に”それのどこを掴めばバランス良く持ち上げられるのか”をわかっています。ラーメン丼ひとつ持ち上げる時だって、どこをどのように持てば中の汁をこぼさずに持ち上げられるかがわかっています。逆に”経験上”わかっているからこそ「そんなこと勉強しなくたってわかってる」と思うのかもしれません。

手に持つものの重心が正しくわからなければ重たいものを持ち上げるのに苦労するでしょう。手が濡れたり油で汚れていれば掴んだものが手から滑り落ちてしまうかもしれません。どうしてそうなるのかを理屈で説明しようとするのが”物理学”です。中でもこのような”物体の立ち振る舞い”をマクロの視点から説明しようとするのがいわゆる”力学”です。ただの水で濡れているよりヌルヌルした石鹸の方が滑りやすくて掴む位置や方向を考えなければいけません。その時に「どうすれば落とさずに掴めるか」を知るためにちょっとだけ力学で習った知恵があれば知らない人より上手くできる可能性は高くなります。「指先の摩擦係数を大きくするには手やお皿についた石鹸や油を落とせばいい」のですから。

そんなこと知らなくたってお皿は洗えるよ、という人も多いでしょう。それでいいというなら何も言いませんが、知らないより知っていた方が想定外の出来事に出くわした時に工夫をして乗り越えることもできるかもしれません。力学に限らずそう思いながら勉強をすると新しい知恵も深く理解できるようになるかもしれません。ボクもそのことにあと50年早く気づいていれば、もう少し賢く生きてこれたのかもしれません。

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