何かをやらない、またはやりたくない時の言い訳で一番多いのが「時間がない」だ。(やりたいけどorやらなければいけないのは分かってるけど)時間がない(からできない)」と言い訳をする。しかしそんな人ほどどうでもいいことにムダな時間を浪費している。報告書を書かなければいけない、受験勉強をしなければいけない、確定申告をしなければいけない、のにやろうとしない。”時間がない”からだ。しかしいずれにしてもいつかはやらなければいけない。いつやるのか、今でしょ!というギャグが(あれ?CMだったかな?)ちょっと前に流行った。
やらない、またはやりたくない言い訳としての“時間がない”というのは自分にとって払う代償が最も大きな言葉である。やりたくはないがいつかはやらなければいけない。それでもズルズルとやらないで引き延ばす。先送りだ。期限が迫っているのにやりたくないからといって先送りをしている間にタイムリミットまでの余裕はどんどん減っている。先送りしている間に”あとで効率よくやるための準備”をしているのならいざ知らず、ゲームなぞで”ヒマつぶし”をするのは愚の骨頂だ。「時間がない」という言い訳が自分の首を絞めていることに気づいていない。そしてそれが自分にとってさまざまな損害をもたらす。
後がなくなって尻に火がついてあわててやっつけ仕事で間に合わせようとすれば、小さな誤りを見逃し、修正することを怠り、できそこないのものを納品し、苦情を受け、やり直しをしなければいけなくなり、やりたくないことをもう一度やらなければいけない羽目になる。後になって慌ててやろうとすれば事態を悪くさせてしまうこともある。そんな時に限ってアクシデントが起こり本当に時間がなくなってしまう。そのアクシデントも自分の余裕のなさから招いてしまうことが多い。そしてリカバリーする余裕すらなくしてしまう。
「時間がない」と思っているのは自分がそう思っているだけのことだ。時間がないと思っているときに(今でもきっとそう思ってやらないでいることがあるはずだ)”どうしてもやりたかったこと”をやるチャンスが巡ってきたら、どんなに苦労しても時間を工面してやろうとする。やりたいことだと時間があるのにやりたくないことだと急に時間がなくなる。他の人が見ればそんなことは一目瞭然だ。「ははぁ~、やりたくないだけだな」ということはすぐに見透かされる。それは、やらなければいけないことさえやりたくない時にはやろうとしない、自分を管理できない人間なのだということを自分で世間に触れ回っているのと変わりない。
時間をうまく差配して時間を作り出し、やりたいことややるべきことをやる時間を自由を手にする方法はいくらでもある。やりたくないと思うことをやろうと思うには、やりたいことに変えればいい。仮にやりたくない仕事の部署に回されてたとしても、やりたくないと思う気持ちを「自分にとって何かの役に立つ」とか「新しいスキルを身に着けるチャンスだ」と思えばいい。世の中には、薬とギャンブルと株以外にはやって損するものはない。いや株やギャンブルだって自分の心の手綱をしっかりと握っていれば素晴らしい経験になることもある。人間万事塞翁が馬、人生いたるところに青山ありだ。
前向きに素早く踏み出せば仕事にせよなんにせよ迅速に、そして立派にやり遂げるためのエネルギーが湧いてくる。常に時間に追われているという人は普段の自分の心構えから見直してみてはどうだろう。いつも時間がないと言っていては自分のやりたいことややりたかったこと、大きなチャンスさえも見逃してしまう。「時間がない」と思う気持ちが心の眼すら曇らせて自分の人生にとっての大きな分岐点の選択を誤らせてしまうかもしれない。
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