呼び水

日々是好日

砂漠を旅している一人の男がいた。彼は日差しの厳しさと旅の疲れでのどが渇ききっていた。やがて目の前にわずかな緑の木陰と井戸を発見した。彼は力をふりしぼったが井戸の側に倒れ込んでしまった。その時、彼の指先に何かが触れた。

見るとそこに一本の竹筒がころがっていた。「何だろう」と思って拾いあげて振ってみると、その竹筒の中には水が入っている。「ああ!助かった」と、その竹筒の水を飲もうとしたところ、その竹筒に次のような文字が記されているのが目にとまった。

「この竹筒の水を全部この井戸のポンプに注ぎ込んで水を汲んでください。
そして最後に次の人のために、またこの筒に水を満たしておいてください。」

有名な話だからご存知の方も多いだろう。井戸の呼び水の話だ。今、手中にある竹筒の水を自分が飲んでしまうのは簡単で一番確実な方法だ。それを井戸に注ぎ込んだところで本当に水が出るという保証はない。あなたならどうする?

みんなが幸せになるということはどういうことだろうか。自分さえ幸せになれればそれでいいと思う人もいるだろう。自分が幸せになれなければ誰も幸せにすることなどできないと考えるのも一理ある。でも自分も、みんなも幸せになれる方法があるのなら試してみたい、とボクは思う。

みんなが幸せになれば次はもっとたくさんの人を幸せにできるかもしれない。幸せでない人からはアイデアも出ない。心に余裕があれば他の人も助けたいと思う気持ちも芽生える。みんなを幸せにしようとする人のところには人が集まってくる。

自分さえ良ければいいと思っている人からは人は離れていく。人生の終わりを見ればその人の生き様がわかる。

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